令制国

令制国についての詳細

概要

令制国（りょうせいこく）とは、日本の律令制に基づいて設立された地方の行政区分です。一般的に律令国とも呼ばれ、古墳時代から明治初期にかけて、日本の地理的区分の基本単位となりました。現在では、その行政的機能は失われていますが、地理的な区分としては都道府県が主に担う役割を果たしています。

令制国の起源と成立

古代の日本では、令制国が成立する前に、地元の豪族が世襲した国造（くにのみやつこ）や県主（あがたぬし）がそれぞれ治めていました。令制国は、中央政府から派遣された国司によって統治される新たな行政単位として機能し始めました。『日本書紀』によれば、大化元年（645年）の大化の改新に際し、東国に国司が派遣されたという記事があります。これに基づき、少なくとも645年頃から、令制国が成立していた可能性がありますが、確実なのは701年に制定された大宝律令を通じてです。

国の区分と改編

令制国の成立に伴い、以下のように国が分割されることとなりました。

• - 常陸国が常陸国・陸奥国に、
• - 凡河内国が河内国（和泉国）、摂津国に、
• - 丹波[[国]]が丹波[[国]]（丹後国）、但馬国に、
• - 筑紫国が筑前国、筑後国に、
• - 火国が肥前国、肥後国に、
• - 豊国が豊前国、豊後国に分割されました。

また、『日本書紀』には天武天皇の時代に国境の画定作業が行われた記録があり、その時期に令制国の分割が進行した可能性があります。

古代の動向

745年、奈良時代初期に元明[[天皇]]が国ごとに『風土記』の編纂を命じ、地域名は漢字二字で表記するように指示しました。これが「好字令」と呼ばれるもので、国や郡の名前に良い意味を持つ漢字を使用し、名の統一が図られました。進行したこれらの国名や地理区分が後の地域のアイデンティティを形成する土台となります。

中近世の変化

律令制が崩壊した後も、国衙は鎌倉時代まで存在し、その後、守護による領国支配が進展しました。この時期、国司は名目上の地位となり、実質的な権力は地域の大名に移行しました。戦国時代においても、令制国という概念は薄れ、国を単位とした行政は消滅していきました。

近現代の状況

1869年、明治政府は令制国を廃止し、都道府県制度が整備されます。この過程で、元々の令制国は名実ともに消滅し、代わりに新たに自治体が設立されたり、旧令制国の名称が再利用されることが多くなりました。しかし、現代では令制国は公式な行政区分としては存在しなくなり、地名として再使用されることが一般的です。

まとめ

令制国は日本の歴史において重要な役割を果たし、地域の文化やアイデンティティにかかわっています。現代においても、その名残が地名や地域ブランドとして息づいており、地理的区分としての意味合いが大きいといえるでしょう。

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