仲間りょう

仲間りょう

日本の漫画家、仲間りょう（なかま りょう）。本名は仲間亮。1990年に沖縄県、現在の宮古島市で生を受けた。男性。独特な感性とシュールな笑いを持ち味とし、『週刊少年ジャンプ』を中心に活躍している。

来歴

少年時代から漫画に親しみ、2010年には高知新聞社が主催する第22回黒潮マンガ大賞において、未来の砂漠に住む人間を描いた作品『ヒルコネトロ』で入選を果たし、その才能の一端を見せた。その後、漫画家を本格的に目指すため沖縄県立芸術大学に進学するが、プロへの道をさらに追求するため、2012年2月に大学を中退する決断をする。大学中退後の約1年間はストーリー漫画の制作に注力していたが、「何か違う」と感じ、自身の持ち味がより発揮できるギャグ漫画へと方向転換した。

漫画家として本格的に活動するために、アルバイトで資金を貯め、2013年1月に上京。同年3月、集英社の『週刊少年ジャンプ』編集部に初めて持ち込んだ読切作品『磯部磯兵衛物語〜浮世はぬるいよ〜』が編集部の高い評価を得る。そして、そのわずか3ヶ月後の2013年6月、『週刊少年ジャンプ』誌上に、『ONE PIECE|ONE_PIECE』の休載期間を利用した代理原稿として、『磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜』と『〜浮世はぬるいよ〜』が2週連続で掲載され、プロ漫画家として鮮烈なデビューを飾った。

『磯部磯兵衛物語』のヒットと連載

デビュー作の高い評価を受け、同年11月より『週刊少年ジャンプ』47号にて、『磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜』として正式に連載を開始。江戸時代を舞台に、武士道に励むはずが怠惰な日々を送る主人公・磯部磯兵衛とその仲間たちが繰り広げる日常を描いた本作は、浮世絵を思わせる独特のタッチと、脱力系のギャグセンスで読者の支持を集めた。連載は当初週に2話掲載されるという異例の形式で始まり、後に週1話掲載となり、2017年46号まで約4年間にわたり人気を博した。

この作品は、『週刊少年ジャンプ』の歴史において、連載開始と同時にアニメ化が発表された初の事例としても特筆される。アニメはFlash形式で制作され、『ジャンプLIVE』にて配信された。さらに、本編の連載と並行して、『少年ジャンプNEXT!!』2014 vol.2からvol.5にかけて番外編も掲載され、作品の世界観が多角的に展開された。

第二の連載

『磯部磯兵衛物語』完結からしばらくの後、2020年9月より『週刊少年ジャンプ』40号にて、仲間りょうの第二の連載作品となる『高校生家族』がスタートした。ある日突然、家族全員が高校に入学するという奇想天外な設定のもと、高校生活を送る家族の日常をコミカルに描き、こちらも好評を博した。この作品は2023年12号まで連載が続けられた。

人物と評価

仲間りょうは、好きなギャグ漫画として『ギャグマンガ日和』、『世紀末リーダー伝たけし!』、『とっても! ラッキーマン』といった作品を挙げており、これらの作品からの影響も感じられる。また、小学生の頃にはNHK教育テレビの番組『天才ビットくん』に自身が制作したパラパラアニメを投稿し、採用された経験があるなど、少年時代からそのクリエイティブな才能の片鱗を見せていた。

デビューからわずか1年という短期間で『週刊少年ジャンプ』での週刊連載を掴み取ったその経緯は、「異例のスピード出世」として業界内外で大きな注目を集めた。その独特な視点と発想から生み出されるギャグは、多くの読者に新鮮な驚きと笑いを提供している。

沖縄から上京し、瞬く間に人気作家の仲間入りを果たした仲間りょう。そのユニークな感性とギャグセンスは、今後も日本の漫画界において独自の存在感を放ち続けるであろう。

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