伊豆山神社

伊豆山神社について

概要

伊豆山神社（いずさんじんじゃ）は静岡県熱海市伊豆山に位置する古社で、全国に展開する伊豆山神社や伊豆神社、走湯神社などの総本社としての役割を果たしています。源頼朝の源氏再興を祈願していた背景があり、彼の妻北条政子との逢瀬の場ともされ、歴史的にも重要な神社です。

祭神

この神社では、以下の四柱の神を祀っています:

• - 火牟須比命（ほむすびのみこと）
• - 天之忍穂耳命（あめのおしほみみのみこと）
• - 拷幡千千姫尊（たくはたちぢひめのみこと）
• - 瓊瓊杵尊（ににぎのみこと）

呼称

伊豆山神社は過去に多くの異なる呼称を持っていました。一部を挙げると、伊豆山権現や走湯権現などがあります。走湯権現は、近くの温泉に由来する名前で、紀元594年に朝廷から名付けられたと言われています。

歴史

伊豆山神社の創建時期は明確ではありませんが、伝承によれば孝昭天皇の時代、すなわち紀元前5世紀から紀元前4世紀に遡るとされています。元々この神社は日金山の頂上にあったとされ、のちに承和3年（836年）に現在の位置に移されたとされています。日金山は古くから信仰の地であり、修験道の聖地としても知られています。

源頼朝は平治の乱後に伊豆に配流され、その際に当社で祈願したと伝わっています。そのため、頼朝からの崇敬も厚く、彼が鎌倉幕府を開いてからは特に重要視されました。戦国時代には小田原の北条氏からも篤く崇められましたが、豊臣秀吉の小田原征伐で焼失され、その後江戸時代に再建されました。

境内の見どころ

境内にはいくつかの重要な場所があります。腰掛石は源頼朝と北条政子が腰をかけたとされる石で、彼らの恋の歴史を語るスポットとして有名です。また、本殿の天井画は1980年に著名な童画家、黒崎義介によって奉納されています。

手水舎には赤白二龍が装飾されており、この龍は伊豆山神社の守護神との伝説があります。赤龍は火のエネルギーを、白龍は水のエネルギーを司るとされており、二頭の龍は温泉の源とも関連付けられています。

祭事と文化財

伊豆山神社では年間を通じて多くの祭事が行われます。代表的なものには、節分祭や例大祭があります。特に例大祭は大変重要で、さまざまな神事や行列が行われ、多くの人々が参加します。

また、神社は文化財も豊富です。重要文化財には木造の男神立像や剣などがあり、これらはこの神社の歴史を物語る貴重な遺産とされています。

アクセス

伊豆山神社へのアクセスは、JR熱海駅から東海バスを利用するのが便利で、伊豆山神社前で下車後、170段の石段を登ると境内に到着します。神社の周辺は自然に囲まれ、訪れる人々にとっては穏やかなひと時を提供しています。

伊豆山神社はただの観光地ではなく、歴史と信仰が交錯する特別な場所と言えるでしょう。

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