会計基準

会計基準とは

会計基準とは、企業の財務諸表を作成する際のルールを定めたものです。これは、企業が外部に財務情報を開示する際に、一定の基準に従って作成することで、情報の信頼性や比較可能性を高めることを目的としています。

会計基準の概要

会計基準は、会計処理および会計報告における法規範としての役割を果たします。会計基準そのものは、国家が制定する法律ではありませんが、慣習法として法体系の一環を成す規範です。

会計基準は、英米法系の慣習として発達・体系化された法規範であり、広義には明文化されていない規範も含まれます。狭義には、企業会計の実務の中に慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものとして明文化された法規範を指します。

会計基準は、財務諸表の表面的な書式や表示に関する規定のみならず、主に実質的な内容や金額の計算等に関する規定です。

日本の会計基準

日本の会計基準は、企業会計原則を中心として、論点ごとにまとめられた多数の文書により構成されています。また、会計基準に準ずるものとして、「企業会計基準適用指針」や「実務対応報告」があります。

会計基準は、慣習法として商法第1条2項、会社法や金融商品取引法により、法体系の一環を成す規範です。

近年では、演繹的アプローチによる会計基準の再構築の試みの一環として、討議資料として概念フレームワークが公表されています。

会計基準の歴史的経緯

日本の会計基準の中心となる「企業会計原則」は、戦後の民主化政策の一環として1949年に制定されました。その後、企業会計原則だけではカバーしきれない論点（連結財務諸表など）について、新たな会計基準が追加されていきました。

1990年代後半の会計基準の追加（あるいは改正）は、主に会計基準の国際的調和という観点に基づくものです。いわゆる金融ビッグバンの一環として「会計ビッグバン」とも呼ばれる会計基準の大改正です。

2005年以降の追加（改正）は、新会社法の制定の影響によるものが多いです。

近年では、国際財務報告基準（IFRS）とのコンバージェンス（収斂）の動きが活発化しています。

会計基準の設定主体

企業会計原則以来、日本の会計基準は旧大蔵省の企業会計審議会により制定されてきました。しかし、国際的調和の観点から、諸外国と同様に民間による会計基準の設定を望む声が強くなり、2001年に設立された財団法人財務会計基準機構内の企業会計基準委員会に順次移行することとなりました。

会計基準の種類

会計基準には、様々な種類があります。主な会計基準としては、以下のようなものがあります。

企業会計原則
原価計算基準
連結財務諸表原則
外貨建取引等会計処理基準
リース取引に係る会計基準
金融商品に関する会計基準
固定資産の減損に係る会計基準
企業結合に係る会計基準

会計基準の今後の動向

会計基準は、経済環境の変化や国際的な会計基準との整合性を図るために、常に改正や見直しが行われています。今後は、IFRSとのコンバージェンスがさらに進むことが予想されます。

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