会計検査院

会計検査院の概要

会計検査院（かいけいけんさいん）は、日本の行政機関の中で唯一、内閣から完全に独立した機関です。主な役割は、国や政府の関係機関における決算の検査や、独立行政法人、地方公共団体の会計監査を行い、その結果を基に決算検査報告を作成することです。1880年に設立され、現存する国家機関の中で外務省に次いで2番目に古い機関です。

歴史

会計検査院は明治13年、当初は大蔵省の一部局として存在しましたが、大蔵省検査局を廃止する形で設置されました。この設置は、大日本帝国憲法第72条に明記されており、特にその独立性が評価されています。1947年には新しい会計検査院法が施行され、現在の形態が整備されました。

法的地位

日本国憲法第90条により、会計検査院は国の収入・支出の決算を毎年検査する責任を負っています。また、内閣に対して独立した機関として認められ、国会や最高裁判所といったすべての国家機関に対しても検査権限が及びます。このため、会計検査院は一般の行政機関とは異なる特質を持っており、憲法改正なくして組織の改廃はできません。

検査対象

会計検査院は国の収入支出や国有財産の管理に加え、様々な法人の会計検査を行います。特に、国の資本金である法人の会計や特定の法律に基づいて指定された会計も対象となります。国が負担する経済的関係についての検査も行われ、適正化に努めています。

組織と運営

会計検査院は、検査官会議と事務総局から成り立っています。検査官は特別職の国家公務員で、任期は7年ですが再任も可能です。院長は検査官によって選ばれ、院全体の代表としての役割を果たします。事務総局の職員は一般公務員として働き、各局に分かれて業務に取り組んでいます。

近年の問題

会計検査院は、近年発生した森友学園問題のような不祥事において批判を受けた経験があります。また、特定秘密保護法の制定時には、検査権限に関して政府と議論が起き、国民のプライバシーを侵害する恐れがある調査の実施が問題視されています。公共サービス改革プログラムにおいては、経済性や効率性を重視する検査の必要性が指摘されました。

国際協力

会計検査院は、世界中の最高会計検査機関の集まりであるINTOSAIのメンバーとして、国際的な監査基準や検査方法の発展に寄与しています。また、アジア地域機構に参加し、他国との連携を強化しています。

まとめ

会計検査院は日本の財政の透明性と適正を維持する重要な役割を持つ機関です。その独立した地位を利用し、国民の信頼を得るために、常に監査業務の向上に努めています。

もう一度検索