住宅新報

株式会社住宅新報は、日本の住宅・不動産分野において専門的な情報を提供する主要な新聞社の一つです。東京都中央区に本社を構え、大阪にも支社を置いています。その事業の中核をなすのは、週刊の専門紙「住宅新報」の発行であり、業界関係者をはじめとする多くの読者に向けた情報発信を行っています。

沿革

同社の歴史は、第二次世界大戦後の復興期にあたる1947年12月に株式会社住宅新報社が創立されたことに始まります。翌1948年4月には、同社の代表的な媒体である「住宅新報」が創刊され、日本の住宅・不動産業界の歩みと共に発展してきました。事業拡大に伴い、1960年3月には大阪支社を開設し、西日本における拠点も確立しています。その後も専門分野の知見を深めるため、1964年2月には不動産鑑定に特化した専門誌「不動産鑑定」を、1973年10月には不動産関連資格の受験対策に焦点を当てた「不動産受験新報」を創刊するなど、事業領域を広げていきました。インターネット時代の到来を受けて、1997年2月にはオンライン情報サービス「HousingTIMES」を開始し、情報提供の形態を多様化させています。近年、経営体制の再編が行われました。2017年12月、会社分割により新たな株式会社住宅新報が設立され、翌2018年9月には旧株式会社住宅新報社から新会社へ事業が譲渡されました。これに伴い、旧社は株式会社神谷町管理と商号を変更し清算手続きに入りましたが、2019年11月には東京地方裁判所から破産手続開始決定を受けています。しかし、事業そのものは新会社の株式会社住宅新報によって滞りなく継続されています。2021年4月には、不動産関連資格の情報を提供するポータルサイト「不動産ココ」を開設し、デジタル分野でのサービスを強化しました。また、2025年2月には本社機能が東京都港区から中央区へ移転する予定です。

事業内容

株式会社住宅新報の主な事業は多岐にわたります。第一に、住宅および不動産分野の専門紙である「住宅新報」の発行です。紙媒体での発行に加え、そのWeb版である「住宅新報web」の運営も手掛け、迅速なニュース配信を行っています。また、不動産関連の資格取得を支援するポータルサイト「不動産ココ」を運営し、受験生や実務家にとって有益な情報を提供しています。さらに、各種資格試験に対応した講習会や通信教育事業を展開しており、不動産ビジネスに関するセミナーの実施やコンサルタント業務も行うなど、教育・研修分野にも注力しています。

「住宅新報」について

専門紙「住宅新報」は、不偏不党の立場から、国民の住生活向上と住宅・不動産経済の発展に貢献することを使命としています。自由かつ公正な報道・評論を展開し、常に品位と責任、信用を重んじる姿勢を掲げています。紙面はブランケット判で、週により10ページから20ページ程度のボリュームで発行されており、公称発行部数は9.5万部に上ります。紙面の内容は、住宅・不動産に関する経済動向、企業の動き、関係官庁の政策などの最新ニュースや、市場の分析・将来予測といった企画記事を幅広く網羅しています。加えて、具体的な不動産物件情報や、宅地建物取引士などの不動産資格試験に関する情報も掲載されており、実務に役立つ情報源となっています。主な読者層としては、不動産業界や住宅業界の企業、金融機関、研究機関のほか、宅地建物取引士や不動産鑑定士といった専門家、そして住宅や宅地の取得を検討している一般の人々まで、非常に広範にわたっています。

まとめ

このように、株式会社住宅新報は、専門紙の発行を核としつつ、Webメディアや教育事業など多様なサービスを展開することで、日本の住宅・不動産市場における情報の中心的な役割を担っています。

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