佐木島

佐木島（さぎしま）

佐木島は、広島県三原市に属し、芸予諸島に位置する美しい島です。三原市の南から約3kmの距離にあり、周囲に因[[島]]や生口島、高根島といった他の島々が点在しております。この島の特徴として、草鞋のような形状をした楕円形の地形で、中央には大平山（267.5m）と狗山（250.6m）の2つの尖った山がそびえ立っています。さらに、2016年に「しま山100選」にも選定されるほどの自然の美しさを誇っています。

行政の歴史

佐木島は1889年に、豊田郡鷺浦村において小佐木島として編成され、その後1956年に三原市と合併し、現在は全域が三原市鷺浦町として知られています。戦後の1955年には、島の人口が3,000人を超える時代もありましたが、現在では人口が減少し、596人の住民が暮らしています。高齢化が進んでおり、高齢者の割合は71.08%にも達しています。

自然環境と産業

島の面積は8.72km²、周囲は18.2kmです。島の主要な産業は農業で、操作されている段々畑では柑橘類やメロン、スイカ、ワケギなどの特産品が栽培されています。しかし、島の住民は殺生を嫌う文化を持っているため、漁業が根付くことはありませんでした。よって、漁師がいない島というユニークな側面もあります。

教育と文化

教育面では、1989年に三原市立鷺浦小学校が創立され、数校が統合されて一校となりました。また、三原市立鷺浦中学校は1947年に設立され、2008年に閉校しました。島の教育機関は、周辺の地域と結びつきを持ちながら島の未来を育んでいます。

文化的な面では、佐木島にはいくつかの重要文化財が存在します。中でも、1300年に建造された磨崖和霊石地蔵は、満潮時に頭まで浸かる珍しい地蔵で、島の人々にとって特別な存在です。また、向田亀山八幡宮や寺山三十三観音も、島の信仰や歴史を物語る文化財として知られています。

観光資源

観光地としては、塔の峰にある千本桜や佐木島灯台が人気で、特に千本桜では春になると、1,400本以上の桜のトンネルが観光客を魅了します。さらに、大野浦海水浴場では、カラフルなシャワーブースやトイレなども整備されており、家族連れにも訪れやすいスポットです。

また、佐木島では毎年9月にトライアスロン大会が開催され、地域活性化に寄与していますが、2024年にはその歴史に幕を閉じることが発表されています。地元住民によるボランティア活動が行われており、島の伝統を守りながら新たな活気を生み出す役目を果たしています。

交通アクセス

交通面では、鷺港や須ノ上港、向田港があり、定期航路で他の周辺地域とが結ばれています。船でのアクセスが主体であるため、島へのキャッチアップには交通の便が重要な要素となっています。将来的には架橋の要望も出ているものの、実現には時間がかかる見込みです。

このように、佐木島は独特の文化、豊かな自然、そして住民による伝統が息づく魅力的な島です。訪れる人々に様々な体験や発見を提供し、ゆっくりとした時間が流れる場所となっています。

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