佐野美術館

佐野美術館

佐野美術館は、静岡県三島市中田町に位置する私立美術館です。公益財団法人佐野美術館によって運営されています。

概要

1966年（昭和41年）に佐野隆一氏の寄付によって設立されました。日本刀を中心とした美術工芸品を多数所蔵しており、その質の高さで広く知られています。

収集・展示

美術館のコレクションは多岐にわたり、日本刀、陶磁器、青銅器、金銅仏、銅鏡、能面、絵画、書などを収蔵しています。中でも、日本刀のコレクションは特に充実しており、刀剣ファンにとっては見逃せない内容となっています。

敷地内には、「隆泉苑」と名付けられた美しい回遊式日本庭園が広がっています。この庭園は昭和初期に佐野隆一氏が造らせたもので、四季を通じて豊かな自然が楽しめます。庭園内には湧水があり、年間を通して水が絶えることがありません。1997年（平成9年）には、隆泉苑の表門と園内の日本家屋が登録有形文化財に登録されました。

展示は、年数回の特別展と刀剣などの常設展を組み合わせて行われています。特別展では、絵本原画から刀剣まで、幅広いテーマの展覧会が開催されます。展覧会の詳細は、佐野美術館のホームページで確認できます。入館料は展覧会によって異なりますが、概ね1000円程度です。

近年では、名槍蜻蛉切が年数回展示され、「刀剣女子」と呼ばれる若い女性を中心に人気を集めています。

文化財

佐野美術館は、数多くの貴重な文化財を所蔵しています。

国宝

薙刀 銘備前国長船住人長光造：鎌倉時代の作で、長光は備前国長船派の刀工。保存状態が非常に良い。

重要文化財

短刀 銘国光：鎌倉時代の短刀の名手・新藤五国光の代表作。附属する合口拵も ценное。
刀 無銘正宗（号 疱瘡正宗） 徳川将軍家伝来：鎌倉時代末期の刀工・正宗の作。青く澄んだ地鉄が特徴。
刀 金象嵌銘備前国兼光 本阿弥（花押）：南北朝時代の刀工・兼光の作。本阿弥光温による金象嵌が施されている。
刀 朱銘義弘 本阿（花押）（名物 松井郷）：越中松倉郷の刀工・義弘の作。小板目の地鉄に直刃が美しい。
秋草文黒漆太刀拵（中身 銘豊後国行平作）上杉家伝来：太刀拵は室町時代の作で、上杉謙信の所用と伝えられる。
木造大日如来坐像 大阪府河内長野市・河合寺旧蔵：平安時代の作で、定朝様式。

登録有形文化財

隆泉苑
隆泉苑表門

アクセス

佐野美術館

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