体重計

体重計とは

体重計は、人間の体重、つまり質量を測定するための計量器です。家庭用としてはヘルスメーターとも呼ばれ、日々の健康管理に欠かせない存在です。

体重計が示す物理量

体重計が実際に測定しているのは、体の質量（単位：キログラム（kg）、グラム（g））です。しかし、学校教育の現場などでは、体重計が体の重量（物理量：力、単位：ニュートン（N））を測っていると誤解されることがあります。

この誤解の主な原因は、家庭用体重計の多くがばねばかり式を採用していることにあります。ばねばかり式の体重計は、実際には体重によってバネが受ける圧縮力（ニュートン）を測定し、その力を質量の値に変換して表示しています。このため、体重計が直接質量を測っているという認識が薄れがちです。計量の専門家の間でも、長年この点が議論されてきましたが、現在では、ばねばかりの原理を利用するすべての秤が質量を測定するという点で意見が一致しています。

体重計の使用法

体重計は、通常、その上に立って体重を測定します。しかし、病気などで通常の体重計に乗れない場合は、特殊な体重計が使われます。また、子供の場合、大人と一緒に体重計に乗り、大人の体重を差し引く方法が用いられることがあります。特に子供の場合、薬の投与量や輸液量を調整するために正確な体重を把握する必要があります。さらに、母乳で育児をしている新生児の場合、授乳前後の体重を測定することで、どれだけの母乳を飲んだかを確認することがあります。

学校や職場、銭湯などでは、業務用や水平型の体重計がよく使われています。近年では、体重だけでなく、体脂肪率やBMIを測定できる体組成計も普及しています。

証明に用いる体重計

健康診断や公的な記録作成など、計量法で証明が必要な場面で使用する体重計は、特定計量器として、都道府県や計量特定市による定期的な検査を受ける必要があります。これらの体重計には、検定証印または基準適合証印が付されています。一方、家庭用体重計は、技術基準に適合していることを示す正マークが付いていますが、検定証印などはなく、定期検査の対象外です。そのため、取引や証明行為には使用できません。

しかし、家庭用デジタル体重計は、機械式の体重計よりも精密であるという誤った認識が広まっており、実際には証明の場面で使用されることが少なくありません。これは計量法違反であり、経済産業省周辺では家庭用計量器のカテゴリー自体を見直す動きがあります。

地域による補正

地球上では、自転による遠心力の影響で、赤道に近いほど重力加速度が小さくなります。日本国内でも、地域によって重力加速度に差があり、体重の測定値に影響が出ることがあります。このため、高精度の体重計には、地域設定機能が搭載されているものや、北海道用、沖縄用、本土用など、地域別に調整された体重計が販売されています。

国際宇宙ステーションの体重計

無重力状態の国際宇宙ステーションでは、通常の体重計は使用できません。そのため、バネの反発力を利用して体重を測定する特殊な体重計が使用されています。

その他の利用

体重計は、ブービートラップや対戦車地雷のセンサー、自動販売機など、様々な用途に利用されてきました。特に自動販売機としては、日本で最初に導入されたものが体重計であったと考えられています。

主なメーカー

• - タニタ
• - オムロン ヘルスケア
• - エー・アンド・デイ

関連項目

• - 計測機器の一覧
• - バランスWiiボード：体重計としても利用できるゲームコントローラーで、世界で最も売れた体重計としてギネス世界記録に認定されています。

出典

• - （参考文献リストは省略）

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