保釈保証金

保釈保証金についての詳細

保釈保証金（ほしゃくほしょうきん）は、被告人が公判への出頭を確保するために必要な金額で、その支払いにより勾留から解放される仕組みです。これは日本の刑事訴訟法第93条及び第94条に基づいており、現金による納付が原則ですが、有価証券や保釈保証書を用いることもできます。近年では、弁護人が電子納付（Pay-easy）を利用して銀行振込を行うケースも増加していることが特徴です。

保釈保証金の立替制度

保釈が許可された場合でも、被告人自身やその家族が必要な保釈保証金を用意できないと釈放は実現しません。その際、家族などの第三者は、日本保釈支援協会や全国弁護士協同組合連合会に申請し、保証人になる契約を結ぶことで、保証料を支払うことで保釈保証金の立替えを受けることができます。この制度は非常に役立つものですが、無制限には利用できず、借金をするような形になってしまうことが多いと言えます。

この立替制度では、日本保釈支援協会は返金する際に保釈保証金の2.75%（たとえば300万円なら約82500円）の保証料を要求します。一方、全国弁護士協同組合連合会では、2%の保証料が課せられています。これに対し、親族などからの借金で直接保釈保証金を支払う方が手数料もかからず、手続きも簡便であるため、より実用的な選択肢となることが多いのです。

保釈保証金の没取と還付

保釈中に被告人が逃亡した場合、裁判所は保釈保証金を没取する権利を持っています。この「没取」は国庫に帰属することを意味し、被告人を厳しく取り締まるための抑止力とされています。一方、裁判が終了し、没取されなかった保証金は、特定の条件が満たされた場合に還付されます。たとえば、勾留が取り消された場合や、無罪判決が下された場合などが該当します。

保釈保証金の相場

保釈保証金は犯罪の内容や被告人の資産状況に応じて異なり、一般的には150万円から300万円程度が相場とされています。ただし、より重大な事件の場合には高額になる傾向があります。この金額は弁護人による希望額に基づきますが、最終的には裁判官の判断が下されます。過去のデータによれば、高額の保釈保証金はその背景にある経済的状況や逃亡の可能性が影響を及ぼしています。

保釈保証金が高額となった例

日本において、保釈保証金の最高額はハンナン事件に関わった浅田満被告の20億円となっており、これが記録的な金額です。また、カルロス・ゴーン被告の保釈中の無断越境により、15億円の保証金が没取される事態も発生しています。これらの事例は、保釈保証金規制がどれほど重要かを示す一端と言えるでしょう。

保釈保証金は、被告人が逃亡しないようにするための重要な制度であり、さまざまな手続きや審査を経て適切な金額が設定されています。法律に則った適正な手続きが行われることで、社会の公正を守るために重要な役割を果たしています。

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