倉田英之

アニメ脚本家・小説家 倉田英之：多様な才能と創作活動の軌跡

倉田英之氏は、1968年7月9日生まれのアニメ脚本家、小説家である。スタジオオルフェに所属し、岡山県井原市出身。数々のアニメ作品でシリーズ構成や脚本を担当する一方、小説やコラム執筆、さらには声優としての活動など、多岐にわたる創作活動を展開している。

代表作『R.O.D -READ OR DIE-』とオーディオコメンタリー

倉田氏の代表作の一つに、自らシリーズ構成・脚本を手掛けた『R.O.D -READ OR DIE-』がある。この作品に収録されたオーディオコメンタリーは、日本アニメーションにおいて画期的な試みとして知られる。監督の舛成孝二氏と共に収録されたコメンタリーは、単なるメイキングや裏話ではなく、出演声優や制作スタッフを交えた自由な雑談が中心。この独特のスタイルは、その後も倉田氏関連のアニメDVDで多く採用され、他の作品にも影響を与えた。

『R.O.D -READ OR DIE-』の原作イラスト・キャラクター原案を担当した羽音たらく氏とは、ペンネームが逆読みで一致することから、同一人物ではないかとの噂が一時流れた。しかし、両氏は『R.O.D -THE TV-』のオーディオコメンタリーで噂を否定している。

アニメ作品への関与と創作活動

倉田氏は、『武装錬金』の登場人物「岡倉英之」のモデルにもなっている。これは作者の和月伸宏氏と2002年の「ANIME EXPO」で共に参加した縁によるもの。また、『R.O.D』の主要スタッフである舛成孝二氏、石浜真史氏も同作品にモデルとして登場し、三人のイニシャルが「R.O.D」となるというエピソードを持つ。

その他、自身がシリーズ構成・脚本を手掛けたかんなぎにおいては、第5幕で男子生徒役の声優として出演している。監督の山本寛氏も同様に声優として参加している。

倉田氏は『大正野球娘。』の熱烈なファンであり、雑誌などで同作品を絶賛している。また、自身の好みが作品に影響を与えていることを示唆する発言も残している。

多彩な著作活動

倉田氏の創作活動はアニメ脚本にとどまらず、小説やコラム、エッセイ集の執筆にも及ぶ。2008年には自身初のコラム集『倉本』を出版。その他、ゲームシナリオや漫画原作、アダルトゲーム雑誌への寄稿など、その活動は多様で、アニメ作品と同様に幅広い層に支持されている。

主な執筆作品には『魔法少女プリティサミー』『バトルアスリーテス大運動会』『R.O.D -READ OR DIE-』『かみちゅ!』『ガン×ソード』『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』『神のみぞ知るセカイ』など、人気作品が数多く含まれる。

また、執筆活動に加え、弟である倉田雅弘氏（集英社で『R.O.D』の担当編集をしていた）とのエピソードや、自身の読書遍歴なども、氏の個性豊かな人間性を示す興味深い情報と言えるだろう。

まとめ

倉田英之氏は、アニメ脚本家・小説家としてだけでなく、多様な分野で活躍するクリエイターである。独特のユーモアセンスと深い知識、そして幅広い創作活動を通して、アニメーション業界に多大な貢献をしていると言える。彼の今後の活動からも目が離せない。

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