元村有希子

元村有希子氏は、1966年生まれの日本の科学ジャーナリストです。福岡県北九州市出身で、九州大学教育学部心理学専攻を卒業後、1989年に毎日新聞社に入社しました。西部本社報道部や社会部、下関支局などを経て、2001年から東京本社科学環境部に所属。

2002年には、科学技術に関する連載企画「理系白書」の取材班キャップを務め、その功績により2006年には第1回科学ジャーナリスト賞を受賞するなど、早くからその才能を発揮しました。その後、科学環境部副部長、デジタル報道センター編集委員、科学環境部長などを歴任し、2019年には編集委員、論説委員を兼任、2020年には論説委員専任となり、2021年には論説副委員長に昇進しました。

2024年3月に毎日新聞社を退職後は、同志社大学生命医科学部特別客員教授に就任。専門はサイエンスコミュニケーションと科学ジャーナリズムです。同時に、毎日新聞社客員編集委員、高エネルギー加速器研究機構理事（非常勤）も務めています。科学ジャーナリスト賞選考委員長も担っており、科学報道分野における指導的な役割も果たしています。

元村氏のキャリアは、新聞報道だけに留まりません。数々のテレビ番組への出演も経験し、分かりやすい解説で高い評価を得ています。Nスタ、情報7days ニュースキャスター、あさチャン!、サンデーモーニングなど、TBS系列の番組を中心に多数出演。また、RKB毎日放送の番組にも出演するなど、幅広いメディアを通して科学情報を発信し続けています。過去には、イブニングワイドのレギュラーコメンテーターも務めました。ラジオ番組への出演経験もあります。

その専門性を活かし、数多くの著書も出版しています。「理系白書 この国を静かに支える人たち」、「理系思考」、「気になる科学」、「科学のミカタ」、「カガク力を強くする！」、「科学のトリセツ」など、科学の面白さや重要性を分かりやすく伝える内容で、多くの読者から支持を集めています。

特に注目すべきは、2020年12月12日付毎日新聞朝刊に掲載されたコラム「「人新世」に生きる」です。このコラムは、令和5年度版高等学校教科書『精選 論理国語』（三省堂）の教材として採用されました。これは、元村氏の文章が、高い教育的価値を持つと認められた証であり、彼女の社会貢献の大きさを示すものです。

元村有希子氏の活動は、単なる科学ジャーナリズムの枠を超え、科学リテラシーの向上、科学と社会のより良い関係構築に大きく貢献しています。今後の活躍にも期待が高まります。FacebookとInstagramでも情報発信しており、多様なメディアを通して一般の人々にも科学への関心を高める活動を行っています。

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