元町公園

元町公園：函館の歴史と自然が織りなす憩いの場

北海道函館市に位置する元町公園は、函館の豊かな歴史と美しい自然を堪能できる、魅力的な空間です。「日本の歴史公園100選」にも選定されており、その歴史的価値の高さが認められています。函館港を一望できる高台に広がる公園からは、雄大な海の景色と函館の街並みが織りなすパノラマが楽しめます。

箱館から函館へ、歴史の舞台

元町公園がある場所は、古くから歴史的な出来事の舞台となってきました。1454年（享徳3年）、河野政通が宇須岸館を築いた地であり、この館が箱のような形をしていたことから、この地は「箱館」と呼ばれるようになったと伝えられています。その後、箱館八幡宮が遷座され、江戸幕府の箱館奉行所が設置されるなど、政治の中心地として発展を遂げました。明治時代には、開拓使函館支庁、函館県庁、北海道庁函館支庁（後の渡島支庁）が置かれ、北海道の行政の中枢を担う場所でもありました。

公園内には、当時の歴史を今に伝える建造物が残されています。特に、旧北海道庁函館支庁庁舎と旧開拓使函館支庁書籍庫は、北海道の有形文化財に指定されており、歴史的価値の高い建築物として高く評価されています。これらの建物は、明治時代の建築技術や函館の歴史を物語る貴重な遺産です。

公園の歴史と整備

渡島支庁が移転した後の1957年（昭和32年）、函館市は北海道庁と土地交換を行い、この地を取得しました。その後、准看護師養成所や市立函館病院など、医療関連施設として利用されていましたが、1982年（昭和57年）10月、旧北海道庁函館支庁庁舎を移設し、約7,000㎡の敷地に元町公園が開園しました。

開園後も、公園の整備は続けられています。2005年度から2カ年計画で、旧市立函館病院跡地を利用した拡張整備が行われ、公園の規模が拡大しました。現在では、函館市民の憩いの場として、また観光客の目的地として、多くの人々でにぎわっています。

公園の魅力と周辺環境

元町公園の魅力は、歴史的建造物だけではありません。公園内には、函館市水道局が制定した市の魚「イカ」をデザインしたマンホール蓋が設置されているなど、細部にも函館らしさが感じられます。また、公園周辺には、旧函館区公会堂や函館市旧イギリス領事館、旧相馬邸といった歴史的建造物が点在しており、歴史散策にも最適な環境です。元町公園を拠点に、函館の歴史を肌で感じることができるでしょう。

元町公園は、函館の歴史と自然が融合した、貴重な空間です。函館を訪れた際には、ぜひ足を運んで、その歴史と魅力を体感してみてください。

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