全日警

株式会社全日警の概要

株式会社全日警（ぜんにっけい）は東京都中央区に本社を置く警備業者で、2020年度の売上高で業界第5位を誇ります。主なサービスは高層ビル、官公庁、商業施設、空港など多岐にわたるセキュリティサービスです。略称はANS（アンス）で、一時期は国内の大手警備企業であるセコムやALSOKと肩を並べる存在でした。

創業と事業内容の歴史

全日警は1963年に創業され、創設者である片岡直公氏の指導のもと、さいたま市のデパートを最初の警備物件としてスタートしました。現在は、施設警備に加えて機械警備や身辺警護なども提供しています。特に鉄道警備においては、東海旅客鉄道（JR東海）と強い提携関係が存在し、新幹線の車内警備や主要駅でのパトロールなどを行っていることが特徴です。

提供サービス

鉄道警備

全日警はJR東海と提携しており、主要駅での警備業務や、新幹線の車内巡回にも関与しています。特に2018年に発生した東海道新幹線の事件を契機に、警備強化を図り、武装警備員の配置やパトロールの頻度を増やしています。

施設警備

法人向けのサービスが充実しており、衆議院議員会館や様々な官公庁、商業施設、学校などの警備を担当しています。また、東京ドームの防災センターやヨドバシカメラのほぼ全店舗でも警備を行っており、信頼性の高い警備を提供しています。

機械警備

機械警備は全日警の主力サービスではありませんが、商業施設や学校向けに導入されており、他社との提携を通じて設置先の拡大を図っています。ホームセキュリティにおいては、安価なプランで「ハッピーガード」を展開しています。

ロボットとAI技術

全日警はAIやロボットの開発にも積極的で、監視カメラをAIで分析する体制や、サービスロボットを用いた警備を導入しています。特に、AI支援ビデオ監視ソフトウェアの「icetana」は異常行動をリアルタイムで検知し、より効果的な監視を実現しています。

空港保安

成田空港や羽田空港などでの保安検査も実施しており、国際的な空港保安の基準に従った業務を遂行しています。

イベント警備

オリンピックや大規模なイベントにおける警備実績も豊富で、広範な経験を基に安全な環境を提供しています。

社訓と経営理念

全日警は「至誠・責任・進取・親愛」の社訓を掲げ、「体温のあるセキュリティ」を目指しており、機械に頼らず人の温もりを重視した警備を行っています。この方針に基づき、創業以来黒字経営を続けており、安定した成長を遂げています。

今後の展望

しかしながら、業界内での競争は激化しており、2024年には業界5位に後退する見込みです。全日警は今後も技術の革新やサービスのバリエーションを拡充し、競争力を維持するための努力を続けていく必要があります。さらに、社会的責任を運営の中核に据え、より安全な社会の実現に向けた取り組みを強化していくことが求められています。

まとめ

全日警は広範な警備サービスを提供する大手業者として、さまざまなビジネスモデルを採用し、日々進化を続けています。今後も安全を提供し続けるための努力が注目されます。

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