全経簿記能力検定

全経簿記能力検定について

全経簿記能力検定（ぜんけいぼきのうりょくけんてい）は、公益社団法人全国経理教育協会が主催する、簿記に関する検定試験です。正式名称は「全国経理教育協会主催 簿記能力検定試験」で、文部科学省の後援を受けています。この検定では、受験資格は特に設けられていないため、誰でも受験可能です。

歴史と試験実施

1956年の10月14日に第1回試験が実施され、以降の試験は年3回行われてきましたが、2014年度からは年4回の実施に変更されました。上級は年2回の実施となっており、特に細かなサイクルで受験が可能です。日本国内での簿記や会計に関する検定試験としては、日本商工会議所の「日商簿記検定」や全国商業高等学校協会の「簿記実務検定」と並び、非常に広く認知されています。

各級の特徴と合格基準

全経簿記能力検定にはいくつかの級があり、それぞれに必要な知識や実務能力が異なります。以下に各級の概要を示します。

上級

この級では、商業簿記や会計学、工業簿記、原価計算に関する高度な知識が必要です。また、複雑な実務の処理能力も要求されます。1983年以降、全経上級の合格者は全国税理士試験の受験資格も得るため、非常に重要な試験とされています。

1級

商業簿記および工業簿記に関する知識を有し、それに伴う実務処理能力も問われます。この級は日商簿記検定2級と同程度の難易度ですが、科目合格制度が適用されているため、実際には少しだけ易しいとも言われています。

2級

この級では、個人企業や法人企業での経理担当者としての知識が問われます。実務処理も必要で、難易度は日商簿記検定3級と同等とされています。

3級

個人企業での経理担当者または経理補助者としての基本的な商業簿記の知識を持つことが求められ、簡単な実務の処理が可能であることが必要です。

基礎簿記会計

このレベルでは、基本的な帳簿を作成し、簿記の基本構造を理解することが求められます。

試験実施の詳細

全経簿記能力検定は、全国一斉の日程で年4回実施されます。具体的には、5月、7月、11月、2月の4回です。ただし、上級試験は7月と2月の年2回のみ行われます。上記の試験科目ごとに、必要な知識と時間配分が明確に定められているため、受験者は計画的に学習できる環境が整っています。

まとめ

全経簿記能力検定は、簿記や会計を学ぶ上で非常に有用な資格制度であり、多くの大学や短大がこの資格を単位認定の対象としていることから、学生にも認知されています。経理や財務の分野でのキャリアを目指す方には、ぜひ挑戦していただきたい資格です。

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