八事駅

八事駅（やごとえき）

愛知県名古屋市昭和区に所在する八事駅は、名古屋市営地下鉄の重要な結節点の一つです。鶴舞線と名城線の二路線が乗り入れており、特に名城線側では水色をアクセントカラーとして駅空間に彩りを添えています。

この駅は、鶴舞線駅務区八事管区駅の管理下に置かれており、管轄エリアは川名駅から平針駅までの広範囲に及びます。

歴史

八事駅の歴史は、鶴舞線の開通とともに始まりました。1977年3月18日、鶴舞線が伏見駅から八事駅までの区間で開業した際、八事駅は終着駅としてその運用を開始しました。開業当初は、現在の2番線にあたるホームの一部のみが使用され、その他のスペースは赤池延伸までの仮の車両留置場所として活用されていました。興味深いことに、駅の開設に先立つ同年3月15日には、地元有志である桑山清一氏の私財提供により出入口と地下道が整備され、名古屋市に引き渡されています。

翌1978年10月1日には鶴舞線が赤池駅まで延伸され、八事駅は途中駅としての機能を担うことになりました。この延伸と同時に1番線ホームの本格的な使用が開始されました。

その後、2004年10月6日には、名城線の名古屋大学駅から新瑞橋駅間の延伸開業があり、これにより八事駅は鶴舞線と名城線の相互乗り換えが可能な駅となりました。近年では、利用者の安全確保のため、2020年12月には名城線ホームに可動式ホーム柵の設置が進められ、13日には4番線、20日には3番線でそれぞれ使用が開始されています。

駅構造

八事駅は地下に位置する駅です。ホーム構造は、鶴舞線が島式1面2線、名城線が相対式2面2線となっています。鶴舞線ホームのいりなか方面には、夜間留置に使用される引上線や渡り線が設けられています。改札口は名城線側と鶴舞線側にそれぞれ2箇所ずつ設置されており、利用者の分散を図っています。名城線ホームは鶴舞線ホームに比べて地表に近い場所に位置しています。

乗り換え動線にはいくつかの特徴があります。名城線の新瑞橋方面（右回り・4番線）から鶴舞線への乗り換えは、エスカレーターなどを利用してスムーズに行えます。一方、名城線の本山方面（左回り・3番線）から鶴舞線へ乗り換える場合は、一度階段で上の階に上がり、連絡通路を経由する必要があります。ただし、4番線を利用した場合でも、鶴舞線ホーム階での移動には比較的長い通路を歩くことになります。

駅構外には、中改札近くにコンビニエンスストア（セブン-イレブン）が、中改札および北改札の近くにステーションATM（イオン銀行の出張所）が設置されており、利便性が確保されています。駅長室は北改札付近にありますが、駅長室と鶴舞線ホームの間を移動するには、一度地上に出るか、名城線ホームを経由する必要がある特殊な構造となっています。

のりば番号は、鶴舞線が先に開業した経緯から、鶴舞線ホームから順に付番されています。

駅周辺

八事駅周辺は、名古屋市内でも特に多様な顔を持つエリアです。地域は昭和区と天白区の境界に位置し、特に駅の南東側は天白区に属します。地形的には、駅の北側と南側に急な坂があり、東側も植田方面に向かって下り坂となっています。

この一帯は、名古屋を代表する高級住宅街として知られています。同時に、毎月恒例の興正寺の縁日には多くの参詣客で賑わう門前町としての活気も見せます。さらに、近隣に複数の大学が存在するため、若者向けの店舗が集積する学生街としての発展も著しく、様々な人々が行き交うエリアとなっています。

主な施設として、地域の生活を支える商業施設や金融機関、公共施設などが点在しています。

バス路線

八事駅の最寄りのバス停は「八事」停留所です。ここからは名古屋市営バスとJR東海バスの路線が運行されています。駅周辺にはバスの転回場がないため、当停留所を終点とする系統はなく、全てが妙見町など転回場のある場所へ直通する運行形態をとっています。

名古屋市営バスの主な系統としては、金山駅や市立大学病院方面へ向かう「金山12」、平針住宅や島田住宅方面へ向かう「八事11」（名古屋大学発着便もあり）、杁中や千種駅前方面へ向かう「八事12」などがあります。

また、JR東海バスの高速バス「ドリームなごや号」の一部便が、東京駅と名古屋駅を結ぶ経路上の停留所として八事に停車します。

隣の駅

名古屋市営地下鉄において、鶴舞線ではいりなか駅（T14）と塩釜口駅（T16）の間に、名城線では八事日赤駅（M19）と総合リハビリセンター駅（M21）の間に位置しています。

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