切り花

切り花とは、花が咲き始めた状態、あるいはつぼみの状態にある植物の花を、枝・茎または葉をつけたまま切り取ったものです。これらの切り花は、姿を整えて水を入れた花器（花瓶など）に挿し、玄関や居室を飾るために用いられたり、仏壇や墓前に供えられたりします。

切り花の形態

切り花は観賞植物の形態の一つであり、その種類は多岐にわたります。一年草や二年草の切り花、キクやカーネーション、カスミソウなどの宿根草の切り花、チューリップ、ユリ、グラジオラスなどの球根植物の切り花、ユキヤナギなどの枝物、葉物、ランなどがあります。また、キンギョソウのように、切り花、花壇苗、鉢物といった様々な形態で利用される種もあります。

英語では切り花を“cutting”と表現しますが、この単語は「挿し芽・挿し木」の意味でも使われます。これは、切り花が植物の繁殖方法としても利用されることを示唆しています。

切り花の利用

切り花は、花束（ブーケ）として贈答品や結婚式などの慶事にも用いられます。また、美しい葉だけを切り取って飾る切り葉や、センリョウやヤブコウジのように小さな実をつけたものを切って使うこともあります。

日本では、古くから仏前に花を供える風習があり、さらに中世以降、日本独自の文化である華道（生け花）が盛んになったため、切り花は日本人にとって身近な存在でした。一方、欧米ではそうした習慣はあまりなく、フラワーアレンジメントは日本の切り花からヒントを得たものと言われています。しかし、現在ではイギリスやアメリカなどでも切り花を飾る家庭が増えており、アスターやケイトウなど、日本の園芸品種の人気が高まっています。

仏壇や墓地に供える花は、仏花（ぶっか）と呼ばれることもあります。これらは、故人への敬意や供養の気持ちを表すために用いられます。

切り花は、私たちの生活に彩りや癒しをもたらしてくれるだけでなく、文化や歴史とも深く結びついた存在と言えるでしょう。その多様な形態や利用方法を通じて、私たちは植物の美しさをより身近に感じることができます。

関連項目

観葉植物
プリザーブドフラワー
フローリストリー
アミノオキシ酢酸、亜酸化窒素
Florists' Transworld Delivery
フラワーアレンジメントの歴史
* Dutch flower bucket

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