判定

格闘技における判定：勝敗を決める仕組み

格闘技において、試合時間が終了しても勝敗が決まらない場合、判定によって勝敗が決まります。判定は、採点方式や単純な勝敗判断など、様々な方法で行われます。判定を行う人物を判定員、ジャッジなど呼びます。

判定員の役割

柔道、レスリング、ボクシング、キック[[ボクシング]]、K-1、総合格闘技など、多くの格闘技で判定員が配置されます。試合中は、審判員が選手と共に試合場にいますが、判定員は指定された場所から試合を観戦します。試合終了後に判定員が下した判定が発表され、勝敗が決まります。

競技によっては、審判員を主審、判定員を副審と呼ぶ場合もあります。また、判定に審判員が参加する場合と、参加しない場合があります。中には、審判員と判定員を兼任する者もいます。プロ格闘技では、判定は行わずレフェリーの補佐役を務めるサブレフェリーという役割も存在します。

アマチュア格闘技における判定

アマチュア格闘技では、有効な攻撃ごとにポイントが加算され、その合計で勝敗が決まります。ポイントは審判員または判定員が瞬時に判断し、加算します。ポイントが同点の場合は、審判員または判定員が試合全体を改めて評価し、優劣を付けます。これを優勢勝ち（負け）と言います。判定員による優劣判断には、旗判定（判定員が優勢と思しき選手の色の旗を掲げる）が用いられることもあります。

プロ格闘技における判定

プロ格闘技では、通常3人のジャッジが試合終了後に判定を行い、2人以上の支持を得た選手が勝者となります。採点結果はリングアナウンサーに伝えられ、アナウンサーが勝敗を発表します。負傷などで試合続行不可能になった場合、規定ラウンドを経過していれば判定が行われることがあり、これを負傷判定（テクニカル・デシジョン）と呼びます。

最も一般的な採点方法は、10点満点の減点方式（テンポイント・マスト・システム）です。ジャッジは各ラウンドごとに採点し、合計点が多い選手が勝者となります。ダウン、ダメージ、クリーンヒット、アグレッシブさなどが採点基準となります。ダウンがあっても必ずどちらか一方に10点を付けます。反則による減点は試合全体の合計点から差し引かれます。試合前の契約違反（体重超過など）があれば、減点された状態で試合が始まります。同点の場合は10-10となりますが、WBAなどでは各ラウンドでポイント差を付けることが推奨されています（ラウンド・マスト・システム）。団体によっては、ハーフポイント・システム（0.5ポイント刻み）を採用している場合もあります。また、公開採点制度（オープン・スコアリング・システム）を採用している団体もあります。トーナメント戦などでは、ドロー判定が出た場合、ジャッジが改めて優劣を付けたり、延長戦が行われたりします。

英語では、判定結果によって、ユナニマス・デシジョン（3-0）、マジョリティ・デシジョン（2-0）、スプリット・デシジョン（2-1）などの呼称が用いられます。

グラップリング、ブラジリアン柔術、シュート[[ボクシング]]などは、アマチュア格闘技のようにポイント加算方式を採用しています。プロレスでは、試合後の判定はなく、時間切れの場合は引き分けとなります。しかし、1970年代までは、他のプロ格闘技と同様に判定で勝敗を決めていた時期もありました。UWFルールでは持ち点制を採用していました。

機械判定

写真判定やビデオ判定のように、機械によって判定が行われる場合もあります。判定には常に客観性が求められますが、人間の判断には常に主観が介在します。そのため、判定基準を明確にし、判断の妥当性を検証する必要があります。

団体スポーツにおける判定

団体スポーツの判定では、両者に関わりを持たない第三者に判定させるのが理想的です。それが不可能な場合は、両者から同数の判定員を出す、あるいは交互に判定員を出すなどの方法がとられます。近年では、技術の進歩により、写真判定、ビデオ判定、機械計測データに基づいた判定などが行われています。

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