劇団21世紀FOX

劇団21世紀FOXについて

劇団21世紀FOX（げきだんにじゅういっせいきフォックス）は、東京都調布市佐須町に存在した日本の劇団です。この劇団は、主宰である俳優兼声優の肝付兼太によって1983年に設立され、1984年にその第一回公演「十一人の少年」を成功裏に終えました。肝付は北村想の作品のファンであり、彼の作劇を強く望んで独立したことがこの劇団の起源となりました。

活動内容と特徴

劇団21世紀FOXは声優が多数所属していることから、声優プロダクションや養成所という側面を持っていると考えられがちですが、実際には舞台公演を主な目的とする伝統的な劇団です。肝付を含む所属俳優たちは、元々舞台俳優としての活動を中心にしており、その傍らで声優活動も行うスタンスを取っています。そのため、劇団の公演は声優の技能を活かしつつも、舞台芸術としての質を追求していました。

肝付はまた、藤子・F・不二雄が手掛けたアニメ作品に多く出演していたことから、そのSF短編作品の舞台化にも積極的に取り組んできました。特に、素晴らしいストーリーテリングとキャラクター描写で知られる藤子作品は、劇団の演目の一部として大きな人気を博しました。

劇団名とその由来

劇団名の「21世紀FOX」は、まるで20世紀フォックスから影響を受けたように思えますが、実際には何の関係もありません。肝付によると、最初は20世紀フォックスが21世紀に改名すると予測し、その際に版権料を得られるかもしれない思惑からこの名前を選んだとのことです。しかし、実際には20世紀フォックスは改名することはなく、この名前の由来についての予想は外れてしまいました。

解散とその後

劇団21世紀FOXは、2016年に第76回公演『デンガラガッタ デンガラガッタ』をもって、無期限の「充電」に入ることが発表されました。9月には法人として清算され、その後消滅しました。さらに、同年10月には主宰の肝付兼太が80歳で逝去しました。その後、公式サイトは削除され、劇団の公式なコメントは存在しません。しかし、声優の水田わさびが自身のブログで、劇団の解散についての情報を公開し、多くの人々に衝撃を与えました。

主な公演と俳優

劇団21世紀FOXでは、多くの公演を行い、多彩な俳優が参加しました。主な男優には河本浩之や宮下タケル、声優の山口勝平がいます。女性では竹田愛里が特に知られています。かつて所属していた俳優には、粟津貴嗣や井田国男、伊藤健太郎、黒瀬浩二などがいます。彼らはその後、他のプロダクションに移籍したり、引退したりするケースが多く、劇団の歴史を物語っています。

公演の記録

劇団の公演に関する詳細は、当劇団の公式サイト内の「公演の歴史」セクションや、ウェイバックマシンのアーカイブで確認することができます。これにより、劇団の多様な活動や過去の公演を振り返ることができ、今なおその魅力を感じることができます。

このように、劇団21世紀FOXは日本の舞台芸術において特異な存在であり、声優活動を行いながらも舞台の質を重要視した劇団でありました。

もう一度検索