北村滋

北村滋について

概要

北村滋（きたむら しげる）とは、1956年12月27日生まれの日本の警察官僚および実業家である。彼は2011年から2019年まで内閣情報官を務め、2019年から2021年まで国家安全保障局長および内閣特別顧問としても活動した。2021年7月に退官後は、北村エコノミックセキュリティ合同会社を設立し、代表を務めている。

来歴

生い立ち

東京都に生まれた北村は、開成中学校・高等学校を卒業後、東京大学法学部に進学し、1980年に警察庁に勤務し始めた。彼の同期には、警察庁長官の坂口正芳や警視総監の高橋清孝がいる。

警察官僚の道

北村は警察官僚としてのキャリアを積む中で実績を上げ、2011年には内閣情報官として任命される。これは当時の徳島県警本部長時代に地元選出の仙谷由人元内閣官房長官からの強い推薦によるものであった。以降、政権交代を経ても内閣情報官に留任し、安倍政権下での情報機能の強化や特定秘密保護法案の策定にも寄与した。

国家安全保障局長としての活躍

2019年に国家安全保障局長に就任した北村は、内閣特別顧問としても活動し、国際的な安全保障支援に関与した。彼は、日印安全保障対話や各国の要人との会談を通じて、外交・安全保障における日本の立場を強化する役割を果たした。また、経済に関する課題に特化した「経済班」も新設し、国家安全保障局における重要な機能を拡大することに寄与した。

退官後の活動

2021年7月の退官後は、北村エコノミックセキュリティ合同会社の設立に取り組み、経済安全保障に関する知見を生かして活動を続けている。同年には国士舘大学の理事に就任し、様々な有識者会議の構成員としても活動している。

人物

北村は安倍晋三首相から特に信頼を受けた官僚として知られており、その立場から情報機関との密接な連携を通じて外交面でも影響力を持っていた。彼は「官邸のアイヒマン」と称されることもあり、警察庁時代には切れ者と称され、将来的な警察庁長官候補とも目されていた。

また、彼は日本における情報機関の第一人者とされ、アメリカ中央情報局や他国の情報機関の長官とは対等に議論できる存在と認識されている。実際、国家安全保障局長在任中には、アメリカのトランプ大統領やロシアのプーチン大統領との会談を実現し、国際的な安全保障の枠組みを構築するための必要な対話を重ねた。

勲章と評価

同局長在任中、北村は国家公務員功労勲章やオーストラリア情報功労章、フランス政府からのレジオン・ドヌール勲章など、多くの勲章を受章した。これらは彼の国際的な貢献を評価するものであり、安全保障の分野における日本の地位を向上させるために彼が果たした役割を象徴するものである。

著作

北村は、情報や経済安全保障に関する書籍を執筆しており、その中には『情報と国家』や『経済安全保障　異形の大国、中国を直視せよ』などがある。彼の著作は、彼の専門知識や実務経験に基づいた洞察を提供している。これらの作品は、日本の安全保障に関する理解を深めるための重要な資料となっている。

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