北村秀治郎

北村秀治郎：順位戦の浮沈と栄光を掴んだ棋士

北村秀治郎は、1907年12月15日生まれ、1982年5月1日没の将棋棋士である。大阪府大阪市出身、八段の称号を持ち、棋士番号は38番。師匠は神田辰之助九段であった。

1931年、北村秀治郎は神田辰之助九段に入門し、厳しい修業の日々を送った。そして、1944年、四段に昇段。晴れてプロ棋士としての道を歩み始める。

プロ入り後、北村秀治郎は順位戦に参戦。最初の参加は第1期順位戦（1946年度）であり、C級からスタートした。当時、C級はまだ1組と2組に分かれていなかったため、翌1947年には自動的に五段に昇段。さらに、第2期順位戦（1947年度）ではC級の上位成績を収め、六段に昇段。この頃には「精鋭トーナメント戦」で優勝するなど、才能を開花させ始めていた。

その後も着実に実力をつけ、第4期順位戦（1949年度）ではC級1組順位戦で7勝1敗の好成績を収め、B級に昇級。同時に七段に昇段した。勢いに乗る北村は、第6期順位戦（1951年度）でもB級順位戦で8勝4敗と健闘し、第7期順位戦では新設のB級1組に振り分けられた。しかし、第8期順位戦（1953年度）B級1組では最下位に沈み、B級2組へ降級。その後は順位戦での昇級を果たすことはなかった。

順位戦での苦戦が続いた一方で、北村秀治郎は他の棋戦でも活躍を見せた。特に注目すべきは古豪新鋭戦での活躍である。第9回大会ではベスト4に進出、そして第13回大会（1969年）では決勝で関屋喜代作を破り、見事優勝を飾った。順位戦では苦戦が続いたが、他の棋戦で結果を残し、実力を証明したと言えるだろう。

さらに、第26期順位戦（1971年度）ではC級2組で6勝2敗のトップタイという好成績を残すも、前期の不振が響き、C級1組への昇級はならなかった。その後、1974年度には第5回早指し将棋選手権で本戦2回戦進出という結果を残したが、同年度の第29期順位戦では降級。順位戦からは陥落することとなった。

順位戦から遠ざかった後も、北村秀治郎は現役を続けた。いわゆる「C3」と呼ばれる、順位戦以外の棋戦に参加する形で現役生活を維持した。そして1982年5月1日、現役のまま急性心不全のため74歳で死去した。

北村秀治郎の棋士人生は、順位戦での浮き沈みと、他の棋戦での活躍が対照的に描かれるものだったと言える。順位戦ではB級に昇級するも、その後は苦戦を強いられた。しかし、古豪新鋭戦での優勝など、他の棋戦で結果を残し、将棋界にその名を刻んだ。彼の粘り強い姿勢と、勝負師としての気迫は、後世の棋士たちに大きな影響を与えたことは間違いないだろう。

主な成績
精鋭トーナメント戦 優勝 (1947年)
古豪新鋭戦 優勝 (1969年)

昇段履歴
1931年 入門
1944年 四段
1947年 五段
1948年 六段
1950年 七段
1977年 八段

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