北陸鉄道山中線

山中線について

山中線（やまなかせん）は、石川県において山中駅から大聖寺駅を結んでいた鉄道路線です。この路線は、地元の温泉旅館経営者たちの手によって設立された馬車鉄道を起源としており、その後温泉電軌に改称され、最終的には北陸鉄道に合併されました。しかし、この路線は1971年に全線が廃止され、現在はその痕跡を残すものとなっています。

路線の概要

山中線の営業距離は8.9kmで、全線が単線で構成されており、駅の本数は11駅でした。すべての区間が電化されていたのもこの路線の特徴であります。運行区間では複線はなく、全線単線での運行が行われていました。なお、山中駅の跡地は現在もバスターミナルとして活用されています。

歴史

山中線の歴史は1898年に始まります。同年の7月に山中馬車鉄道が設立され、1899年の10月8日に山中村（後の山中）から河南までの区間が開業しました。その際の軌間は914mmでしたが、1900年には河南から三木村（現：大聖寺）間の開業により、路線が拡大されました。

1912年には山中電軌に改称され、1913年には全線が改軌電化されました。この時点で、石川県初の電化路線としての歴史を刻むこととなります。その後、同年の11月には温泉電軌に譲渡され、1943年には北陸鉄道に統合されます。

1945年には、軌道法に基づいていた運行形態が地方鉄道法に基づく鉄道に変更され、その後も運行が続けられましたが、1968年には路線のスタフ閉塞装置が完成しました。そして1971年7月11日、長い歴史を持つ山中線は全線廃止になりました。

駅一覧

山中線には、廃止時点でそれぞれの駅が存在しました。各駅の所在はすべて石川県にあり、駅名やその機能は、地域の発展とともに重要な役割を果たしてきました。各駅は、時に旅客の待ち合わせや物資の運搬のための重要なポイントであり、地域住民の生活に密接に関連していました。

保存車両

現在でも、加賀市の歴史民俗資料館や加賀市立動橋小学校において、馬車鉄道時代の客車が保存されています。これらは山中馬車鉄道が使用していたものであり、電化以降は片山津軌道へと移され、さらに民家の物置として使われていた時期もありました。ただし、現在は加賀市の市文化財に指定され、保護されています。

このように、山中線は地域の交通手段として重要な役割を果たし、その歴史は現在の地域の文化や交通網に影響を与えています。

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