北陸電力送配電

北陸電力送配電株式会社の概要

北陸電力送配電株式会社（ほくりくでんりょくそうはいでん）は、富山市に本社を持ち、主に北陸エリアで電力の送配電業務を行う一般送配電事業者です。これは日本国内で、公共のインフラを維持し、発電や小売電気ビジネスと分離している企業形態です。北陸電力の完全子会社でもあり、その略称として北陸送配電または北電送配電と呼ばれます。

事業内容

北陸電力送配電は、約3,000 kmに及ぶ送電線や200箇所以上の変電所、40,000 kmを超える配電線を維持運営しています。この送配電網により、発電事業者や小売電気事業者に電力を供給する一方、発生した電力を需要家に届ける機能を担っています。2020年には電気事業法の改正に従い、一般送配電と発電および小売電気事業の分離を実施し、業務の中立性を保つ体制を整えました。具体的な事業内容には以下のものがあります。

1. 送配電網の維持業務

当社は、北陸エリア内の送配電網を日常的に運用し、必要に応じて新たな引込線や電力量計を設置します。事故や自然災害が発生した場合には、迅速に故障箇所を特定し、修復作業を行います。

2. 系統運用

電力の安定供給を維持するため、発電、送電、電力需要の動向を常に監視しています。これにより電圧や周波数を適正な状態に保ちます。

3. 託送供給

託送契約に基づき、指定された地点で電気を受け入れ、異なる地点に供給するサービスを提供します。これにより小売電気事業者などに電力が届く仕組みを作っています。

4. 最終保障供給

小売電気事業者からの供給が受けられない未接続地域に対しても、必要な電力を販売・供給し、全ての需給者にサービスを提供します。

5. 離島等供給

特に、石川県に位置する舳倉島の需要家には、供給者を介さず直接電力を提供しています。

再生可能エネルギーへの取り組み

当社は、北陸エリアにおける再生可能エネルギー設備を有する事業者と契約を結び、固定価格で電力を買い取る政策を取っています。電力の一部は、提携した小売電気事業者に供給されます。

供給区域の詳細

北陸電力送配電が電力を供給する地域は以下の通りです。

• - 富山県（全域）
• - 石川県（全域）
• - 福井県（越前地方のみ、一部を除く）
• - 岐阜県の一部（特定地域）

正確な供給区域を把握することは、地域ごとの電力供給問題の解決や発生するリスクへの対応に役立ちます。

採用している設備

会社発足時の設備として、送電線は約3,338 km、変電所は203軒、配電線は43,487 kmにわたり、強固な電力網を構築しています。使用している周波数は主に60Hzで、複数の電圧階級を持ち、多様な供給に対応しています。

会社の歴史

2013年以降、政府の電力システム改革が進められ、北陸電力はその影響を受けました。2018年に送配電事業本部を設立し、翌年には北陸電力送配電株式会社として独立した法人が設立されました。これは電力業界の透明性や中立性を確保するための重要なステップとなりました。また、歴代社長として水野弘一氏が就任し、後に棚田一也氏が続き、現在も業務を推進しています。

まとめ

北陸電力送配電株式会社は、その規模と効率性、さらには地域への責任を持って、電力供給事業を続けています。今後も持続可能なエネルギー供給に向けた取り組みを強化し、地域の電力ニーズに応えていくことが期待されます。

もう一度検索