医薬部外品

医薬部外品とは

医薬部外品は、日本の薬機法（医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律）で定められた、医薬品と化粧品の中間に位置する分類です。これらの製品は、人体に対する作用が比較的穏やかであり、機械器具ではないものを指します。

医薬部外品は、医薬品のように病気の治療を直接的に目的とするものではありませんが、予防効果を謳ったり、人体に対して何らかの改善効果をもたらすことを目的とします。例えば、薬用化粧品のように肌のトラブルを予防したり、殺虫剤のように衛生環境を改善したりする製品が含まれます。

医薬部外品の分類

薬機法第2条第2項において、医薬部外品は以下のように定義されています。ただし、人や動物の疾病の診断、治療、予防を主な目的とするもの、または身体の構造や機能に影響を及ぼすものを除く（これらは医薬品に該当します）。

• - 吐き気その他の不快感、口臭、体臭の防止
• - あせも、ただれ等の防止
• - 脱毛の防止、育毛、除毛
• - 人又は動物の保健のための、ねずみ、はえ、蚊、のみ等の駆除又は防止

この定義に基づき、医薬部外品はさらにいくつかの種類に分類されます。

指定医薬部外品

2009年6月1日の薬機法改正により、厚生労働大臣が指定する医薬部外品として、以下のようなものが含まれます。

新指定医薬部外品: のど清涼剤、健胃清涼剤、ビタミン剤、カルシウム剤、ビタミン含有保健剤などが該当します。
新範囲医薬部外品: 2004年の規制緩和で、医薬品から医薬部外品へ移行したもので、いびき防止薬、うがい薬、健胃薬、コンタクトレンズ装着薬、殺菌消毒薬、しもやけ用薬、瀉下薬、消化薬、整腸薬、鼻づまり改善薬（外用剤のみ）、一部のビタミン含有保健薬などが該当します。

防除用医薬部外品

殺虫剤や殺鼠剤、虫除け剤など、衛生環境を保つために使用されるものが該当します。

その他の医薬部外品

上記以外にも、歯磨き粉、口中清涼剤、制汗剤、薬用化粧品、ヘアカラー、生理用ナプキンなどが、医薬部外品として扱われます。

製造・販売に関する許可

医薬部外品を製造・販売するためには、以下の許可が必要です。

医薬部外品製造販売業許可: 医薬部外品の販売を行う事業者は、この許可を取得する必要があります。GQP省令やGVP省令への適合が求められます。
医薬部外品製造業許可: 日本国内で医薬部外品を製造する事業所は、この許可を取得する必要があります。薬局等構造設備規則への適合が必要です。海外の製造所の場合は、外国製造業者認定が必要です。

製品の保管や包装・表示を行う場所も、製造の一部とみなされるため、製造業許可が必要です。

販売と承認

医薬部外品は、一般用[[医薬品]]のように販売許可制度が定められていないため、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど、薬局・薬店以外の小売店でも販売が可能です。

また、製造販売される医薬部外品は、一部を除き、薬機法第14条に基づき製造販売承認を取得する必要があります。承認基準が定められている医薬部外品も存在します。

主な商品例

薬用化粧品（薬用石鹸、薬用歯磨きなど）
入浴剤の多く
防除用医薬部外品（殺虫剤など）
指定医薬部外品（ドリンク剤、うがい薬、一部胃腸薬など）

関連情報

医薬部外品についてさらに詳しく知りたい場合は、以下の関連情報を参照してください。

一般用[[医薬品]]
医薬品等適正広告基準

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