協和発酵バイオ株式会社について
協和
発酵バイオ株式
会社は、
東京都中野区に本社を構え、医薬品原料や各種アミノ酸、さらには
健康食品の製造と販売を手がける企業です。キリングループの一員として、同社はバイオケミカル事業を展開しています。
概要
この
会社は
2008年に設立され、協和醱酵工業株式
会社(現在の
協和キリン)及びキリンファーマ株式
会社との戦略的提携を受け継いで設立されました。協和
発酵バイオは日本国内だけでなく、アメリカ、
中国、タイなどに生産拠点を持ち、世界規模で事業を展開しています。主な
健康食品にはオルニチンやアルギニンEXなどがあります。
沿革
協和
発酵の歴史は1949年に遡り、企業整備計画に基づいて設立された協和醱酵工業が起源です。その後、1956年には世界初の
発酵法によるL-グルタミン酸の生産技術が誕生し、1958年には
発酵法のL-リジン製造法も確立されました。このような先進的な技術開発の結果、
日本化学会化学技術賞や大河内記念賞を受賞するなど、その評価が高まっていきました。
1977年には
発酵廃液の再資源化による環境改善の実績で環境庁長官賞を受賞し、1992年には「実用的なATP再生系の構築」に関して農芸化学技術賞を受けるなど、数多くの賞を受賞することで技術力を証明しています。
2008年に協和醱酵工業のバイオケミカル事業部が分社化され、協和
発酵バイオ株式
会社が誕生しました。これ以降も、同社は技術革新を続けており、2014年にはジペプチド
発酵技術が農芸化学技術賞を受賞し、2015年にはタイ国内でアミノ酸生産工場を新設しました。
主な製品
協和
発酵バイオはファインケミカル分野において、医薬品の原料や様々なアミノ酸、さらには核酸関連物質を取り扱っています。これに加えて、ヘルスケア領域でも
健康食品や機能性食品素材を展開しています。特にサプリメントとして人気のあるオルニチンやアルギニンEXは、多くの消費者に支持されています。
事業所
国内には
防府市に山口事業所があり、かつて存在した宇部事業所と土浦工場は2021年までに閉鎖されました。また、研究開発拠点としてつくば開発センターや生産技術研究所がありますが、これらは統合や改編が進んでいます。
国外においては、アメリカ、
ドイツ、
イタリア、
シンガポール、
インド、
中国等に生産や販売の拠点を持ち、グローバルな展開をしています。
不祥事
同社は過去にいくつかの不祥事を経験しました。特に2012年には、安全性審査を経ていない遺伝子組み換え技術を使用したL-フェニルアラニンの製造が発覚し、販売自粛を余儀なくされました。また、FDAからは製造施設のGMP基準に不適合との指摘を受け、複数のWarning Letterを受け取っています。
これらの課題を経て、協和
発酵バイオは今後の事業運営において、より安全性と品質に配慮した製品を提供し続けることを目指しています。