南山宏

南山 宏について

南山宏（みなみやま ひろし、1936年7月29日）は、日本の著名な作家、翻訳家、怪奇現象研究者、そして編集者です。本名は森優（もり ゆう）で、多くの著作を本名の他、多様なペンネーム（大山優、森勇軒、森勇謙など）で発表しています。特に「M・M」の名義は、彼の本名の「ゆう」を特定の表記に読み替えたもので、彼の文学的活動を象徴しています。

生い立ちと教育

南山は東京府 東京市（現在の東京都港区）で生まれ、筆名の由来は母校の港区立南山小学校に因んでいます。東京外国語大学でドイツ語を学んでいる間に、彼はSF同人誌『宇宙塵』の初期のメンバーに加わることとなり、アメリカSF小説の収集家として名を馳せるようになりました。

早川書房での活動

1961年、早川書房に入社し、同社のSF部門で活動を開始します。彼は福島正実の指導の下、副編集長として、SFマガジンの編集に携わり、1969年には2代目編集長に就任しました。その後、世界初のSF全集『世界SF全集』の完結にも寄与しました。また、1970年には早川書房の文庫シリーズ「ハヤカワSF文庫」を創刊し、娯楽性高い作品を積極的に刊行しました。特に、そのビジュアル表現にこだわり、高名なイラストレーターや漫画家の作品を取り入れることで、読者の関心を引きつけました。これにより、1977年以降のSFブームを牽引する役割も果たしました。

フリーライターとしての活動

1974年に早川書房を退社した南山は、超常現象の研究に専念。これによって日本の超常現象研究の第一人者としての地位を確立しました。彼はまたオカルト雑誌『ムー』の顧問としても活動し、英国の「フォーティアン・タイムズ」の特別通信員を務めるなど、国内外での影響力を持ち続けています。

人物像

南山は、作家福島正実との関係性でも独自の影響を及ぼしました。「剛の福島」に対して「柔の森」と呼ばれる彼の穏やかな性格は、両者の調和を生む要因となりました。また、彼は超常現象の探求に情熱を注ぎ、多くのSF作家の知恵袋的存在としても信頼されていました。

家族

彼の実弟は小説家の森詠であり、兄弟共に文学の世界で活躍しています。

著作

南山は、多くの著作と翻訳を行っており、特に超常現象やSFに関する書籍が多く見られます。著名な著書には『世界の円盤ミステリー』や『UFOと宇宙人』があり、これらは日本における超常現象やUFO研究の礎となりました。彼の著作は、単なる娯楽としてだけでなく、SF文学や超常現象研究の重要な資料としても位置付けられています。

南山宏は日本におけるSFと超常現象文化の発展に多大なる貢献をしており、彼の影響は今もなお多くの作家や研究者に引き継がれています。

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