原優奈

原 優奈

概要

原 優奈（はら ゆうな）は、1994年9月20日に大阪府大阪市で誕生した日本のプロボクサーである。第49代日本スーパーフェザー級王座を獲得した実績を持ち、現在は真正ボクシングジムに所属して活動している。

人物像

彼のキャリアは、ボクシングとは異なる意外な始まりを持つ。幼少期からサッカーに類稀な才能を示し、かつてはイタリアの名門クラブ、ACミランからも関心を寄せられるほど将来を嘱望されたサッカー少年だった。しかし、海外クラブへのセレクションマッチにおいて発生した予期せぬアクシデントにより、その道は断たれてしまう。サッカーへの情熱を絶たれた後、原は海外での放浪生活を経験。この異色の道のりこそが、彼をプロボクサーへと導く契機となった。リング上のパフォーマンスに加え、その率直で飾り気のない、時には挑発的とも取れる発言から「ビッグマウス」としてメディアやファンの注目を集める存在でもある。また、彼の妹である海七もプロの女子サッカー選手として活躍しており、兄妹でアスリートの道を歩んでいる。

来歴

プロデビューから日本タイトル挑戦まで

2015年3月4日、プロのリングにデビュー。初陣を判定勝利で飾る幸先の良いスタートを切った。キャリア初期は順調に勝利を重ねたが、プロ6戦目にして初の黒星を喫する。2018年には西日本スーパーバンタム級新人王として、全日本新人王決定戦への出場を懸け中日本代表の英洸貴と対戦したが、5ラウンドの戦いの末、判定負けを喫した。

その後、階級をスーパーフェザー級に上げ、日本タイトルへの挑戦を目指す。2022年10月1日には、後楽園ホールで開催された日本スーパーフェザー級挑戦者決定戦で、ランキング1位の強敵、波田大和と激突。8ラウンドに及ぶ白熱した攻防の末、2-1のスプリット判定という僅差ながら勝利をもぎ取り、悲願の日本王座挑戦権を獲得した。

王座獲得、防衛、そして陥落

日本タイトル初挑戦の舞台は、2023年4月1日、地元大阪のエディオンアリーナ大阪。「3150FIGHT SURVIVAL Vol.4」のメインカードとして、当時の日本スーパーフェザー級王者、坂晃典とのタイトルマッチが組まれた。試合は開始早々、原が王者からダウンを奪われるまさかの展開で幕を開けた。しかし、そこから驚異的な精神力と修正能力を見せ、反撃に転じる。そして迎えた4ラウンド1分3秒、見事に相手をリングに沈めるTKO勝利を収め、第49代日本スーパーフェザー級王座の獲得に成功した。

初防衛戦は、2023年12月17日に神戸ポートピアホテルで開催された興行で行われた。挑戦者に日本フェザー級11位の向山大尊を迎えたこの試合では、チャンピオンとしての貫禄を見せつける。試合開始からわずか1分9秒という速攻で相手を仕留める初回TKO勝利を飾り、盤石の初防衛に成功した。

しかし、2度目の防衛戦は波乱含みのものとなった。2024年4月20日、再びエディオンアリーナ大阪のリングに登場し、ランキング1位の奈良井翼を迎え撃った。この試合では、2ラウンドに一度、そして5ラウンドには二度と、計3度にわたりダウンを喫する苦しい展開となる。粘りを見せた原だったが、5ラウンド2分10秒、レフェリーストップによるTKO負けを喫し、王座から陥落することとなった。

王座返り咲きへの試み

王座陥落後、原は再び頂点を目指す。2024年12月15日、住吉スポーツセンターにて行われた日本スーパーフェザー級最強挑戦者決定戦に出場。同級2位の砂川隆祐と拳を交えた。互いの意地がぶつかり合う激しい試合は、結果的に1-1の引き分けとなった。しかし、この試合には最強挑戦者決定戦に特有の特別ルールが適用されており、引き分けと判断したジャッジがつけた優勢点により、原が勝者と見なされることとなった。この結果、彼は再び元王者の奈良井翼が保持する日本王座への挑戦権を獲得した。

そして、2025年5月28日、横浜BUNTAIで開催されたビッグイベントの前座として、日本スーパーフェザー級タイトルマッチでの再戦が実現した。およそ1年1ヶ月ぶりに王者・奈良井翼と相見えることとなったが、再び王座返り咲きはならず。8ラウンド1分55秒、無念のTKO負けを喫し、ベルト奪還は叶わなかった。

所属ボクシングジム遍歴

SFマキジム (2015年～2016年)
六島ジム (2016年～2018年)
渥美ジム (2018年～2019年)
千里馬神戸ジム (2019年～2021年)
真正ジム (2021年～現在)

戦績

プロ通算戦績：20戦14勝（7KO）4敗2分

獲得タイトル

2018年度西日本スーパーバンタム級新人王
* 第49代日本スーパーフェザー級王座（防衛1）

もう一度検索