名古屋市営地下鉄上飯田線

上飯田線について

上飯田線（かみいいだせん）は、愛知県名古屋市北区に位置する地下鉄路線で、平安通駅と上飯田駅を結びます。この路線は日本で最も短い地下鉄として知られており、全長わずか0.8 km（800 m）です。このような短距離にもかかわらず、名古屋市交通局が運営するこの路線は、名鉄小牧線との直通運転を実施しており、地域住民や通勤者に便利な交通手段を提供しています。

概要

上飯田線は平安通駅と上飯田駅間のたった一つの駅を結ぶだけで、名鉄小牧線及び名古屋市営地下鉄名城線との接続を可能にします。この連絡により、上飯田駅発着のバス路線の混雑を緩和し、小牧線沿線から名古屋都心部へのアクセスが容易になっています。上飯田線は第三セクターの上飯田連絡線株式会社が所有しており、名古屋市交通局との協力体制の中で運営されています。

2003年に開業されたこの路線は、当初は名古屋市交通局の乗務員によって運転されていましたが、2007年からは名鉄の乗務員による運行に移行しています。この変更により、運行の効率化が図られています。

駅と設備

すべての駅には交通系ICカード「manaca」をはじめとする全国相互利用サービスカードが使え、利便性が高まっています。また、平安通駅と上飯田駅には可動式ホーム柵が設置されており、安全面にも配慮されています。停車時には、ATC（自動列車制御装置）が機能し、適切な速度での減速が可能です。さらに、将来的には乗車人数の増加に備えた設計が施されています。

運行形態

上飯田線はほとんどの列車が名鉄小牧線と直通運転を行っており、特に平安通発の最終列車など一部の列車はこの路線専用で運行されています。この運行形態は特に通勤時間帯に便利で、多くの人々に利用されています。運行の頻度は昼間の時間帯において、1時間あたり4本と低めで、これは日本の地下鉄路線の中でも少ない部類に入ります。

交通インフラ

上飯田線は名城線との接続を基本に運営されており、この点が利便性を高めています。一方、名鉄小牧線へのアクセスも良好であり、相互間の乗り換えが可能です。ただし、地下鉄と名鉄小牧線の間での通過連絡運輸についてはいくつかの制約があります。利用者は特定の駅での乗り換えを余儀なくされ、利便性に影響を及ぼす場合もあるため、運賃に割引が適用されることが重要です。

利用状況

年々利用者数は増加傾向にありますが、上飯田連絡線株式会社が設定する線路使用料が高いため、収益性には課題が残っています。また、上飯田駅を起点とする利用者は、行先によっては他の路線への乗り換えが必要であり、乗車の利便性が低下する要因となることがあります。そのため、営業係数は400を超え、多くの課題を抱える状況です。

歴史

この路線の歴史は、名古屋市内と周辺地域における交通の整備から始まりました。特に名鉄小牧線との連携強化が求められる中で、上飯田線の建設が決定されました。1992年の運輸政策審議会の報告に基づいて、必要性の高い地点として上飯田線が挙げられ、実際に2003年に開業を迎えました。その後の運営の合理化に伴って、名鉄が乗務業務を担当することとなり、よりスムーズな交通サービスが実現されています。今後の発展にも期待が寄せられています。

将来計画

上飯田線の将来には、名古屋市内での延長計画も存在しますが、実現は難しい状況です。地域の関心や経済状況が厳しく、実際の延伸計画が進むかどうかは難しい局面にあると言えます。

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