和田岬

和田岬（わだみさき）

和田岬は、兵庫県神戸市兵庫区に位置し、大阪湾と神戸港に面した細長い砂嘴（さし）です。その地形は、南西からの風や潮流を防ぐ天然の防波堤として機能し、古くから良港として知られていました。この地理的特性が、大輪田泊や兵庫湊といった歴史的な港の発展を促し、現在の神戸港へと繋がっています。周辺は和田宮通という住所で親しまれています。

地理

和田岬は、六甲山地を源流とする妙法寺川や苅藻川が運んだ土砂と、沿岸流の作用によって形成されたと考えられています。古くは「輪田」や「和太」とも呼ばれていましたが、現在と同じ「和田」という字が用いられるようになりました。かつては風光明媚な景勝地としても知られていました。

歴史

南北朝時代

『太平記』によると、建武3年（1336年）5月25日の湊川の戦いにおいて、和田岬は重要な戦略拠点となりました。新田義貞の配下である脇屋義助や大館氏明がこの地に陣を構え、戦に臨んだと伝えられています。

江戸時代

江戸時代末期には、勝海舟によって和田岬砲台が築かれました。しかし、実際に戦闘で使用されることはありませんでした。現在、その跡地は三菱重工業の敷地内に位置しています。

明治時代以降

明治時代初期には、和田[[岬灯台]]が設置され、1963年まで神戸港の安全を守る灯台として活躍しました。また、神戸で初めてとなる水族館「和楽園水族館」もこの地に建設されました。

明治時代中期以降、和田岬は三菱造船や川崎造船所などの重工業が相次いで進出し、日本を代表する工業地域へと発展を遂げました。現在では、三菱重工業神戸造船所（三菱造船から派生）や、三菱電機の工場、川崎重工業の工場などが建ち並び、日本の重工業を支える重要な拠点となっています。

1945年（昭和20年）10月13日には、和田岬沖で輸送船「華城丸（383トン）」が触雷により沈没する事故が発生しました。

和田岬の名を冠する施設

和田[[岬駅]]（西日本旅客鉄道（JR西日本）和田[[岬線]]、神戸市営地下鉄）
和田[[岬線]]（山陽本線の支線の通称）
和田岬砲台
和田[[岬灯台]]

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