和田岬灯台

和田岬灯台：日本の灯台の歴史を語る建造物

1867年、日本とイギリスの間で締結された大坂条約に基づき、5基の洋式灯台の建設が約束されました。その一つとして兵庫港の開港を控え、建設されたのが和田岬灯台です。初代の灯台は1871年に完成し、翌年の10月1日に初点灯。八角形の木造で、神戸の海の安全を見守っていました。

その後、1884年には鉄製灯台へと建て替えられました。この二代目灯台こそ、現在も須磨海浜公園で見ることができる、歴史的価値の高い建造物です。設計を手掛けたのは、「日本の灯台の父」と呼ばれるイギリス人技師、リチャード・ヘンリー・ブラントン。高さ15.76メートルの三階建て、六角形の鉄製灯台は、当時としては最先端の技術を駆使して造られました。初代とは異なるデザインですが、1963年に役目を終えるまで、神戸港のシンボルとして存在感を示し続けました。

1964年、和田岬から須磨海浜公園へと移設。地元の人々からは「赤灯台」の愛称で親しまれ、現在もその姿を保っています。その歴史的価値から、1998年には国の登録有形文化財に登録されました。日本の近代化と、海運の発展を象徴する、貴重な歴史的遺産なのです。

アクセス方法

和田岬灯台は、現在、兵庫県神戸市須磨区須磨海浜公園内にあります。電車をご利用の場合は、山陽電鉄須磨寺駅、月見山駅から徒歩10分。JR神戸線（山陽本線）須磨海浜公園駅から徒歩5分、須磨駅から徒歩10分とアクセスも良好です。

周辺情報

須磨海浜公園は、美しい海岸線と緑豊かな公園が一体となった、人気の観光スポットです。灯台を訪れた際には、ぜひ周辺の観光地も巡ってみてください。

須磨離宮公園: 歴史的な建造物と美しい庭園を兼ね備えた、静寂な空間。
須磨寺: 古くから信仰を集める由緒あるお寺。
須磨海水浴場: 夏には多くの人で賑わう、神戸を代表する海水浴場。
須磨浦山上遊園: さまざまなアトラクションが楽しめる遊園地。
須磨海浜公園: 広大な敷地を誇る公園で、灯台以外にも多くの見どころがあります。
須磨浦公園: 自然豊かな公園で、散策やピクニックに最適。
神戸市立須磨海浜水族園: 多種多様な魚類や海洋生物を見ることができる水族館。
須磨海づり公園: 海釣りを楽しむことができる公園。

関連情報

リチャード・ヘンリー・ブラントン: 和田岬灯台をはじめ、多くの日本の灯台の設計に携わったイギリス人技師。
神戸メリケンパークオリエンタルホテル灯台: 和田岬灯台を模した形状の灯台がホテルに設置されています。

和田岬灯台は、日本の近代化、そして人々の海の安全を守るための努力の歴史を物語る、重要な建造物です。訪れる際には、その歴史に思いを馳せてみてください。

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