国際連合公用語英語検定試験

国際連合公用語英語検定試験（国連英検）

国際連合公用語英語検定試験（UNATE）は、公益財団法人日本国際連合協会が主催する英語検定試験です。外務省が後援しており、通称「国連英検」として知られています。

試験概要

国連では、英語、フランス語、中国語、ロシア語、スペイン語、アラビア語が公用語として使われています。国連英検では、これらのうち英語の能力が測られます。試験名に「国際連合」とありますが、主催は国連ではなく、日本国際連合協会であり、日本国内でのみ実施されています。ただし、日本国際連合協会は国連のA級諮問民間団体である国連協会世界連盟のメンバーであり、国連本部から国連旗を受けています。

試験は年2回開催され、特A級、A級からE級までの6つのレベルがあります。受験者は、隣接する2つの級を同時に受験することが可能です。C級からE級までは一次試験のみで、マークシート形式です。B級はマークシート形式と英作文による一次試験があります。特A級とA級は、一次試験合格後、二次試験としてネイティブスピーカーとの面接があります（2005年まではB級にも面接がありました）。

試験では、礼儀正しさ、社会常識、世界情勢への関心、そして自身の英語力をどのように活かしたいかといった将来への展望など、幅広い話題に対する適切な対応が求められます。時事問題が出題されるのも特徴で、一般教養も試験内容に含まれていると言えるでしょう。

他の英語検定試験として実用[[英語技能検定]]（英検）がありますが、国連英検の特徴は、国際連合に関する知識や国際政治に関する知識が問われる点です。特にB級以上の受験者は、『新わかりやすい国連の活動と世界』（国連協会著）を読んでおくことが推奨されています。

国連英検ジュニア・テスト

日本国際連合協会では、児童向けの国連英検ジュニア・テストも実施しています。Eコースは、英語の語彙を学び始めて1年目の受験生を想定しており、動物、色、花などの語彙が出題されます。コースが上がるごとに語彙の範囲は広がり、Aコースでは中学校で習うレベルの単語（1200語程度）が出題範囲に含まれます。試験は、英語を聞き、解答用紙のイラストから正解を選ぶ形式です（プレAコース以上は英文選択肢から選ぶ聴解問題、Aコースはさらに英文の読解問題）。Eコースは25問（30分）、Aコースは80問（50分）が出題されます。

合格者の特典

国連英検の合格者には、様々な特典があります。

2007年度より、国際公務員であるアソシエート・エキスパート（外務省を通じて派遣される2年契約の職員）の選考試験に、特A級が利用されています。
特A級およびA級は、予備自衛官補（技能公募）の任用資格となります。
C級以上の合格者は、警視庁の警察官採用試験の第一次試験で、成績の一部として利用されます。
C級以上の合格者は、大学や大学院の入学試験で優遇措置を受けたり、入学後に英語科目の単位として認定されることがあります。
C級以上の合格者は、高等学校卒業程度認定試験の英語科目が免除されます。

参考資料

武藤克彦、伊藤泰司、高橋信道 著、日本国際連合協会 編『国連英検特A級・A級対策』三修社、2011年。
日本国際連合協会. “国連英検：試験概要”.
警視庁. “採用情報 > 資格経歴等の評定(警察官) 平成29年度”.
日本国際連合協会. “国連英検ジュニアテストとは？”.
防衛省. “平成30年度 予備自衛官補募集要項 (技能公募)” (pdf).
“2019年度入試 英語外部試験利用入試を実施する主要私立大学一覧” (pdf).
文部科学省. “3．知識及び技能に関する審査(技能審査)の合格による免除要件” (pdf).
* ベスト進学ネット. “国連英検 国際連合公用語英語検定試験 大学 AO入試制度あり”.

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