地球の静止する日

『地球の静止する日』について

『地球の静止する日』（原題：The Day the Earth Stood Still）は、1951年にアメリカで制作されたSF映画で、監督はロバート・ワイズが務めました。この作品にはマイケル・レニーが異星人クラトゥを演じ、パトリシア・ニールが彼と対峙する人間キャラクターを演じています。また、1971年にはNETテレビで「SF地球最後の日」というタイトルで放送されたこともあります。さらに、2008年にはキアヌ・リーブス主演のリメイク『地球が静止する日』が制作されています。

ストーリー概要

物語はアメリカの首都ワシントンD.C.から始まります。そこに現れたのは銀色の円盤から出てきた男、クラトゥです。彼は自らが宇宙人であることを告げ、人類に対して友好的な意図を持っていると主張します。しかし、彼の意図に反して、警備兵は彼に向かって発砲してしまいました。この場面で、彼のもとに現れたロボット、ゴートが周囲の武器を無力化しようとしますが、クラトゥは彼を制止します。

クラトゥは、地球の指導者たちが核兵器や戦争で他の天体を征服しようとしていることは、彼ら自身に対する危険を招くことだと伝えるために、人々にメッセージを送る使命を持っています。しかし、彼を迎え入れることを拒む指導者たちを前に、クラトゥは宿屋に身を寄せ、一般市民の中に溶け込むことにします。彼は科学者のバーンハート教授と出会い、地球における自身の重要な任務を理解してもらうため、世界中の電気を止めるという行動に出ます。

しかし、クラトゥの計画は誤解を招いてしまい、やがて逮捕命令が出されます。彼は軍に捕らえられると、致命傷を負ってしまうことに。彼の使命は果たされるのか、物語は緊迫感あふれる展開を迎えます。

製作背景

1950年代はSF映画が多く製作されていた時代であり、当時は異星人を恐怖の象徴として描くことが多かった中で、本作は異星人と人間の対話を描いた先駆的な作品として評価されています。クラトゥとゴートはその後のSF作品に多大な影響を与え、友好的な宇宙人像の象徴として位置付けられましたが、その一方で、ゴートの出現シーンだけが取り上げられ、本作の本質が見過ごされることもあります。

プロデューサーのジュリアン・ブロースタインは、冷戦時代の緊張感を反映させる作品を制作しようと考えており、SF小説『主人への告別』を原作として採用しました。この作品では、異星人との接触がどのように人間に影響を与えるかを描いていますが、実際にはストーリーが大幅に変わり、映画は独自の色を持つものとなっています。

主なキャストとスタッフ

映画には当時の著名な放送ジャーナリストがカメオ出演しており、リアリティを加えています。スタッフには、ロバート・ワイズ監督、脚本家エドムンド・H・ノース、撮影監督レオ・トーヴァーなどが名を連ねています。また音楽はバーナード・ハーマンが担当し、そのサウンドトラックも高く評価されています。

受賞歴と関連作品

本作は1952年にゴールデングローブ賞を受賞しており、その影響は広範囲にわたります。劇中では『マジェスティック』で本作が上映されるシーンがあり、後にアニメや他の映画でもオマージュされることがありました。特に『新世紀エヴァンゲリオン』の一話も本作に対するオマージュとなっています。

『地球の静止する日』は、SF映画の歴史において特に重要な位置を占める作品であり、今なお多くの人に影響を与え続けています。

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