地理院地図

地理院地図について

地理院地図（ちりいんちず）は、国土地理院が提供する地図閲覧のためのサービスです。このプラットフォームは、地形図や空中写真、主題図をはじめとする多様な地図情報をオンラインで提供し、2013年から利用可能となりました。このサービスは、WebGISの一種で、インターネット上のブラウザを通じて簡単にアクセスできるため、地図や地理情報の利用がより身近になっています。

提供される主な機能

地理院地図では、様々な種類の地図を閲覧できます。標準地図である地形図や、土地条件図などの主題図が提供され、空中写真も最新のものから過去に撮影されたものまで幅広く利用できます。これにより、ユーザーは新旧の空中写真を比較し、地域の変化を把握することができます。また、色別標高図や陰影起伏図、赤色立体地図といった特殊な地形図も手軽にチェックできます。

独自の「自分で作る色別標高図」機能もあり、ユーザーは任意の地域に対して色や標高境界を設定できます。作図機能では、点や線、領域の描画が可能で、作成したデータはKMLまたはGeoJSON形式で保存できるため、より専門的な利用者にとっても便利です。さらに、距離や面積の計測機能も備え、地図上に線や文字を追加することができるため、デザイン性の高い地図を作成することができます。また、3D表示機能もあり、地形の理解を助ける多角的な視点を提供します。

地理院タイルの活用

地理院地図で利用される地図や空中写真のデータは「地理院タイル」と呼ばれ、他のシステムやアプリでも用いることができます。ユーザーは国土地理院の利用規約に従い、タイルを活用して自分のプロジェクトに組み込むことが可能です。タイルには標準地図、淡色地図などがあり、詳細なズームレベルでの利用が支援されています。

特に、ズームレベル5から18までの精密な地図デザインや、さまざまな主題図（数値地図や火山基本図など）をダウンロードし利用することもできます。ただし、一部のタイル利用には、国土地理院に対する承認申請が必要です。

特徴的なベクターデータの提供

地理院地図Vectorの機能を通じて、ユーザーはベクターデータとして地図を取得することが可能となり、独自のデザインや表示の調整が行えます。地図上で必要な情報のみを表示したり、図形の色や太さを自由に変更することができ、これにより利用者の特定のニーズに応じた地図を作成できるようになりました。2020年には、日本全国のデータが公開され、GitHubにソースコードも提供されているため、開発者やデザイナーが自分なりの地図を作成することが容易に実現可能です。

地理院地図の指定

2020年には「データ戦略タスクフォース」において、地理院地図がベース・レジストリの整備対象候補に挙げられ、その後、2021年には電子国土基本図が正式にベース・レジストリとして指定されました。これにより、地理院地図は国の地理情報の基盤としての重要性が高まり、今後の地理情報の流通や利用においても中心的な役割を果たすことが期待されています。

まとめ

地理院地図は、個人や団体が地図を簡単に利用できるように設計されたプラットフォームで、さまざまな機能を持つことが特徴です。その使いやすさと、豊富な情報量から地理情報の収集や分析を行うための強力なツールとして、多くのユーザーに親しまれています。

もう一度検索