坂東彦三郎

坂東 彥三郎（ばんどう ひこさぶろう）

坂東彥三郎は、歌舞伎において非常に重要な役割を果たす名跡です。初代から九代目にわたる歴代の役者たちは、日本の伝統芸能に多大な影響を及ぼし、それぞれに独自の足跡を残しました。屋号は、初代から三代目までは「萬屋」、以降は「音羽屋」となっており、現在の定紋は音羽屋鶴の丸で、替紋は結び八重片喰です。

初代坂東彥三郎

初代彥三郎は、1693年に生まれ1751年に亡くなりました。彼は篠塚次郎左衛門の甥であり、2代目坂東又太郎の弟子として歌舞伎の世界に入りました。また、尾上菊五郎の岳父でもあり、初代の名跡として非常に重要な位置を占めています。

二代目坂東彥三郎

二代目は初代の子供であり、1741年から1768年まで活躍しました。若いころから父の名跡を継承し、歌舞伎の舞台で存在感を示しました。

三代目坂東彥三郎

三代目彥三郎は1754年に生まれ、1828年に亡くなりました。彼は八代目市村羽左衛門の三男として生まれ、歌舞伎の界で名を馳せました。三代目としても、その名は後世に語り継がれています。

四代目坂東彥三郎

四代目は三代目の甥であり、養子として1918年から1917年にかけて活動していました。彼の実父は市村座の帳元・福地茂兵衛であり、初代坂東龜藏としても知られています。

五代目坂東彥三郎

五代目は1832年の生まれで、1977年に没しました。彼は四代目の養子として名跡を受け継ぎ、初代坂東鶴之助や初代坂東竹三郎などの役を演じました。

六代目坂東彥三郎

六代目彥三郎は1886年に生まれ、1938年に亡くなりました。彼は五代目尾上菊五郎の三男で、歌舞伎団体内での地位を築きました。

七代目坂東彥三郎

七代目は1916年に生まれ、2001年に亡くなりました。彼は六代目の子であり、三代目坂東龜三郎や十七代目市村羽左衛門の名でも知られています。

八代目坂東彥三郎

八代目は1943年に生まれ、現在も活動しています。彼は七代目の長男としてその名を継承し、四代目坂東龜三郎や坂東薪水という別名でも知られています。

九代目坂東彥三郎

九代目は1976年に生まれ、現在もその名跡を受け継いでいます。彼は八代目の長男であり、歌舞伎界での活動を継続しています。

坂東彥三郎の名跡は、日本の伝統芸能としての歌舞伎の歴史の一部であり、多くの人々に愛され続けています。各代ごとの役者たちは、先人たちの営みを守りつつ、新たな表現を生み出し、改革をもたらしました。その歴史や継承の過程は、今後も多くの研究や議論の対象となることでしょう。

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