萬屋

萬屋（よろずや）は、歌舞伎役者の屋号の一つです。そのルーツは、三代目中村歌六の妻・小川かめの実家にありました。小川家は、江戸時代に市村座の芝居茶屋を営んでおり、その屋号が「萬屋」でした。この芝居茶屋「萬屋」は、小川吉右衛門が経営していました。

1971年（昭和46年）、初代中村錦之助（後の萬屋錦之介）ら小川家一門が、それまで所属していた播磨屋から独立する形で「萬屋」を屋号として名乗り始めました。これは、先祖のルーツである芝居茶屋「萬屋」への敬意と、新たな出発への決意を示すものでした。

萬屋の代表的な名跡としては、以下のものがあります。これらの名跡は、萬屋一門の歴史と伝統を受け継ぎ、歌舞伎界で重要な役割を果たしています。

初代萬屋錦之介：もともとは中村錦之助を名乗っていました。萬屋の初代として、その後の萬屋一門の礎を築きました。映画界でも活躍し、時代劇スターとしての人気を確立しました。
二代目萬屋錦之介：初代の息子で、父の遺志を継ぎ、萬屋の名跡を継承しました。歌舞伎の舞台だけでなく、テレビドラマや映画など、幅広い分野で活躍しています。

また、参考までに、萬屋の定紋についても触れておきましょう。定紋とは、家紋の一種で、歌舞伎役者の屋号を象徴するものです。萬屋の定紋は、一門の個性と歴史を視覚的に表現しており、観客にとっても親しみやすいものとなっています。

萬屋は、歌舞伎界において独自の地位を確立し、その名跡は現在も受け継がれています。萬屋一門の役者たちは、歌舞伎の伝統を守りながらも、常に新しい表現を追求し、観客を魅了し続けています。

関連情報

さらに深く歌舞伎の世界を探求したい方のために、以下の関連情報も参考にしてください。

* 歌舞伎役者の屋号一覧：歌舞伎役者の屋号は、その家の歴史や芸風を表すもので、歌舞伎鑑賞をより深く楽しむための手がかりとなります。それぞれの屋号の由来や特徴を知ることで、歌舞伎の面白さが倍増します。

萬屋は、その歴史と伝統を背景に、これからも歌舞伎界で重要な役割を果たしていくでしょう。彼らの舞台での活躍に、今後も注目していきましょう。

もう一度検索