夕張リゾート

夕張リゾート株式会社とその経緯

夕張リゾート株式会社（ゆうばりリゾート）は、北海道夕張市に本社を置く企業です。しかし、新型コロナウイルスの影響で利用者が大幅に減少し、事業運営が厳しくなりました。その結果、2020年12月24日に破産の申し立てをし、2021年2月1日には正式に破産手続きが開始されました。

指定管理者の受託と返上

夕張市の観光施設の管理については、加森観光が経営不振の市内観光施設を一括で受託する形となり、2007年に設立されました。最初の営業は同年4月27日から開始されました。しかし、修繕に高額な費用がかかり、営業を続けるリスクが高まったため、2008年10月末には「夕張鹿鳴館」「SL館」「知られざる世界の動物館」の3つの施設の管理を返上しました。この協定により、夕張リゾートは市に対して経済的負担をかけることなく施設を返還できました。

3つの施設の返上後、夕張市には運営する余力がなかったため、直ちに閉鎖されました。2009年4月には、これらの施設を民間業者に譲渡するための募集が開始され、「夕張鹿鳴館」は小樽市の企業に無償で譲渡されることが決まりました。その後、補修を経て2011年に再オープンし、国の登録有形文化財にも指定されました。

動物館の剥製問題

「知られざる世界の動物館」には多数の動物の剥製が展示されていましたが、一般への譲渡が禁止されている希少種も含まれており、民間への売却ができない状態でした。夕張市は困難な状況の中で国立科学博物館に助けを求め、641体の剥製が無償で譲渡されることになりました。これにより、剥製は同博物館の展示に活用されています。さらに、昆虫標本の一部はネットオークションで販売されました。

SL館の其の後

「SL館」は閉館されたものの、鉄道遺産の保存活動を行う団体の運営により、特別公開が続けられました。数回のイベントを通じて観光客を引き寄せ、2013年には「郷土文化施設」としての位置づけがなされました。

元大夕張リゾートの登場

2017年には、加森観光が運営を終了することに伴い、中国の元大リアルエステートが施設を取得しました。元大は新たなリゾート開発を目指し、夕張リゾートは傘下となる形で運営が継続されました。しかし、2019年には施設の老朽化や経営問題から、再び売却が行われ、夕張鹿鳴館を除く3宿泊施設は香港のファンドに売却されました。

その後、破産手続きに突入した夕張リゾートは2020年12月に営業停止となり、2021年2月には破産手続きが開始されました。負債は約5億円に達し、夕張リゾートは2022年4月に法人格を喪失しました。

営業再開への道

しかし、施設を取得した香港系ファンドは2021年9月、新たな運営会社を設立し、スキー場や合宿施設の営業再開を発表しました。これにより、観光施設は徐々に復帰の兆しを見せており、観光地夕張の新たな活力が期待されています。

運営施設一覧

現在、夕張で運営中の施設には以下があります。

• - マウントレースイスキー場
• - ホテルマウントレースイ
• - ゆうばりホテルシューパロ
• - 合宿の宿ひまわり

このような流れの中で、夕張リゾートの事業の再生が模索されています。

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