大ピンチずかん

大ピンチずかん

『大ピンチずかん』は、絵本作家・鈴木のりたけ氏による、子供たちが日常で遭遇する「大ピンチ」をテーマにした人気絵本シリーズです。2022年2月に小学館から1作目が刊行され、2023年には続編が出版されました。

制作背景

この絵本が生まれるきっかけは、作者である鈴木氏のお子さんが牛乳をこぼしてしまった際の出来事でした。当初は、失敗を恐れずに前向きに生きるというメッセージを伝えたいと考えていましたが、子供たちの様々な失敗談を集めるうちに、それを図鑑としてまとめることで、失敗を重ねる中で恐怖心を克服できるのではないかという発想に至りました。また、本書は単にピンチの度合いを大きさで並べるだけでなく、ページをめくるごとに主人公の世界が広がっていくような工夫が凝らされています。
図鑑のような体裁になったのは、担当編集者が図鑑の編集経験を持っていたことも影響していると作者は語っています。

反響

作者の鈴木のりたけ氏は、編集者との間で「こんなことができたら面白い」と話し合いながら、肩肘張らずに楽しみながら制作に取り組んだため、当初は大きな反響に驚いたそうです。ニュースサイト「ほんのひきだし」のインタビューでは、この作品が多くの人に受け入れられた理由として、誰もが共感できる普遍的なテーマを扱っているため、話題にしやすかったのではないかと分析しています。また、幅広い年代の読者が楽しめるように意識して制作したことも、わかりやすいコンテンツとして受け入れられた要因ではないかと推測しています。

『大ピンチずかん』は、2023年の児童書で売上1位、書籍全体でも2位を記録するほどの人気を博しました。2024年7月時点で、1作目の『大ピンチずかん』は発行部数100万部を突破し、シリーズ累計では167万部を超える大ヒットとなっています。

書誌情報

鈴木のりたけ『大ピンチずかん』小学館、2022年2月16日。ISBN 978-4097251385。
鈴木のりたけ『大ピンチずかん2』小学館、2023年11月22日。ISBN 978-4097252436。

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