大分市歴史資料館

大分市歴史資料館：豊後国分寺跡に広がる歴史の宝庫

大分市歴史資料館は、大分県大分市大字国分にある、豊後国分寺跡史跡公園に隣接する歴史博物館です。この資料館は、隣接する豊後国分寺を中心とした、旧石器時代から古代、そして大友氏を基軸とした中世から近世までの大分市の歴史を幅広く網羅した展示を特徴としています。

展示内容：時を超える歴史の物語

館内には2つの展示室があり、常設展示では大分市の歴史を時代順にたどりながら、様々な資料が展示されています。考古学的な遺物から、絵画、書物など、多様な資料を通して、古代から近世にかけての大分地方の変遷を深く理解することができます。特に、豊後国分寺を中心とした古代史に関する資料は充実しており、当時の生活や信仰の様子を垣間見ることができます。また、中世から近世にかけては、大友氏の隆盛とその文化、そして大分市の都市発展に関する貴重な資料が展示されています。

さらに、テーマに沿った企画展示も定期的に開催され、常設展示では紹介しきれない、より詳細な歴史的側面や、特定のテーマに特化した展示を楽しむことができます。これらの企画展示は、大分市の歴史を多角的に理解する上で非常に貴重な機会となっています。

館内の見どころ：歴史を物語る貴重な収蔵品

資料館には、多くの貴重な収蔵品が保管・展示されています。その中でも特に注目すべきは、以下の通りです。

カゴにおさめられた黒曜石（縄文時代）: 大分市横尾遺跡から出土したこの黒曜石は、日本最古級のカゴに収められている点が大きな特徴です。縄文時代の技術の高さと、当時の人々の生活様式を想像させてくれる貴重な資料です。
土師器（天長9年頃）: 豊後国分寺跡隣接地から出土したこの土師器の坏は、底面に「尼□ 尼寺 天長九」と記されています。これは、豊後国分尼寺の存在を裏付ける重要な史料であり、古代寺院の研究において極めて貴重な発見です。
十二月言葉手鑑（1588年）: 大友義統が『源氏物語』の一節を12ヶ月にちなんで書き記した書です。大友氏の教養の高さと、古典への造詣の深さを示す貴重な資料であり、当時の文化水準の高さを物語っています。
府内古図（江戸時代）: 16世紀後半頃の豊後府内（現在の大分市）を描いた絵図です。大友館や万寿寺、デウス堂など、当時の主要な建造物が描かれており、都市構造や当時の様子を知る上で貴重な情報源となります。

また、資料館のホールには、豊後国分寺七重塔の1/10スケールの復元模型が展示されています。この模型は、かつてそびえ立っていた七重塔の壮大さを体感できる、見どころの一つです。

アクセス：豊後国分駅から徒歩圏内

大分市歴史資料館へのアクセスは非常に便利です。JR九州久大本線豊後国分駅からは徒歩約2分と、駅からすぐの場所に位置しています。また、JR九州日豊本線大分駅からは、大分バスを利用して「歴史資料館入口」停留所で下車することができます。

まとめ：大分市の歴史と文化を体感できる場所

大分市歴史資料館は、豊後国分寺跡という歴史的な場所に位置し、旧石器時代から近世までの大分市の歴史を学ぶことができる貴重な施設です。豊富な収蔵品と分かりやすい展示を通して、大分市の歴史と文化を深く理解することができます。大分を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。2014年には入館者100万人を達成しており、年間4万人を超える来館者が訪れる人気のスポットです。

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