大阪教育大学附属特別支援学校

本校は大阪府大阪市平野区喜連四丁目に所在する国立の特別支援学校です。大阪教育大学の附属学校として、教育理論と実践に関する大学との緊密な連携のもと、共同研究や、学生の教育実習および介護等体験の受け入れを行っています。大阪の地において、障がいのある子どもたちのための教育実践と研究を推進することを重要な使命としています。

教育目標と対象

小・中学部、高等部を合わせ、およそ60名あまりの児童生徒が学んでいます。少人数制の環境のもと、一人ひとりの発達段階や個性を尊重し、人間的な自立、健やかで創造性豊かな心、そして豊かな人間性の育成を目指しています。知的障害のある児童生徒を主な対象としており、個別の教育計画に基づいたきめ細やかな指導が行われています。

教育・研究活動

大阪教育大学との共同研究に加え、特別支援教育における先進的な実践研究にも積極的に取り組んでいます。近年の主な活動としては、デジタル教材の活用研究や、2013年度に文部科学省から委託を受けた「インクルーシブ教育システム構築モデル事業」におけるモデル地域（交流及び共同学習）としての実践などが挙げられます。また、近隣に位置する大阪教育大学附属の五校園（附属幼稚園、附属平野小学校、附属平野中学校、附属高等学校平野校舎）とも密接に連携しており、相互の交流や共同学習を通じて、多様な学びの機会を創出しています。

入学について

本校への入学にはいくつかの条件があります。対象となるのは、知的障害を有し、出願時に療育手帳を取得している児童生徒です。また、小学部は通学時間が40分以内、中学部は50分以内、高等部は60分以内という、自宅から学校までの通学時間による地域制限があります。通学方法は、自力での通学または保護者による送迎が原則となっており、学校が提供する寄宿舎や通学用スクールバスはありません。

沿革

本校の歴史を遡ると、日本の特別支援教育の黎明期における先駆的な取り組みが見られます。特に、1905年に大阪府師範学校附属小学校（現在の大阪教育大学附属天王寺小学校）に赴任した鈴木治太郎教諭兼訓導による研究・実践活動は特筆されます。鈴木は翌1906年、同校内に「教育治療室」を開設し、当時「低能児」などと呼ばれた学習に困難を抱える子どもたちの実態調査を行いました。この活動は、後に日本初、戦前唯一の知的障害児のための公立学校である大阪市立思斉学校（現在の大阪府立思斉支援学校）の設立や、鈴木ビネー知能検査の開発につながるなど、日本の知的障害児教育の基礎を築く一助となりました。

現在の特別支援学校に直接繋がる源流は、大阪学芸大学附属平野小学校および附属平野中学校に設けられた特殊学級にあります。1961年に附属平野小学校に、続いて1963年には附属平野中学校にそれぞれ特殊学級が設置されました。そして、これらの特殊学級を統合する形で、1966年に大阪学芸大学附属養護学校として現在の場所に開校しました。このとき既に小学部、中学部、高等部が設置されていました。

その後の校名変更は以下の通りです。

1966年：大阪学芸大学附属養護学校として設立
1967年：大学の名称変更に伴い、大阪教育大学教育学部附属養護学校に改称
2004年：国立大学法人化に伴い、大阪教育大学附属養護学校に改称
2007年：学校教育法改正による特別支援教育制度の導入に伴い、現在の大阪教育大学附属特別支援学校に改称

その他

日頃の教育活動の成果は様々な場面で認められています。近年では、「第20回全附P連絵画コンクール2024」の特別支援学校部門において、高等部3年生の生徒の作品が会長賞を受賞するという栄誉に輝きました。

交通アクセス

最寄りの公共交通機関は、Osaka Metro谷町線の喜連瓜破駅、または大阪シティバスの「地下鉄喜連瓜破」バス停です。いずれの場所からも、東へ約150メートルほどの距離に位置しています。

本校は、教育大学の附属機関としての研究機能と、知的障害教育における長年の実践経験、そして地域及び近隣附属校園との連携を通じて、未来を担う子どもたちの豊かな成長を支援しています。

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