大阪水上バス

大阪水上バス株式会社：大阪の水上交通と観光を彩る

大阪水上バス株式会社は、京阪グループに属する企業として、大阪府大阪市中央区に本社を置く、水上交通事業を担う会社です。同社は、観光客に人気の高い遊覧船「サンタマリア」や、大阪の大川（旧[[淀川]]）を運行する「アクアライナー」など、複数の船舶を運航しています。

歴史と事業内容

大阪水上バス株式会社は、1983年の大阪城築城400年祭を機に創業されました。当初は、通勤客向けの路線と観光客向けの遊覧船を兼ね備えた「アクアライナー」を運行開始しました。旧[[淀川]]での通勤船運行は1934年以来、遊覧船運行は1966年以来の復活となり、大きな注目を集めました。通勤船路線は2005年に休止となりましたが、観光船事業は現在も盛んに行われています。

1990年には、大阪港を周遊する大型観光船「サンタマリア」が就航しました。コロンブスのサンタマリア号をモデルにしたその姿は、大阪港のシンボルとなっています。現在では、「アクアライナー」、「サンタマリア」に加え、「水都号アクアmini」や、食事や音楽を楽しめる「ひまわり」といった、多様な船舶を運航し、それぞれの船が異なる魅力を提供しています。

アクアライナー：大川を巡る観光船

「アクアライナー」は、大阪市内の大川を周遊する水上バスの総称、及び航路名です。大阪城、天満橋、淀屋橋、OAP（大阪アメニティパーク）といった主要な地点を結ぶ循環路線で、どの港から乗船しても一周して元の港に戻ることができます。所要時間は約60分です。桜の季節には増便されるなど、季節に応じた運行体制をとっています。

当初は中之島を一周するコースが計画されていましたが、橋の低い桁下などの制約から、現在のコースに変更されました。現在でも、小型船を用いた中之島一周コースや、道頓堀川を巡るコースが設定される場合があります。

サンタマリア：大阪港周遊の帆船型レストラン船

「サンタマリア」は、天保山ハーバービレッジを発着し、大阪港内を周遊する帆船型観光船です。コロンブスのサンタマリア号を忠実に再現した外観が特徴で、昼間のデイクルーズと、夕暮れ時のトワイライトクルーズが運航されています。クルーズの所要時間は、いずれも約60分です。運航スケジュールは季節によって変更されます。

その他の船舶と運航形態

「水都号 アクアmini」は、主に土日祝日に大阪城と道頓堀を結ぶ航路で運行されています。平日には貸切船として利用される他、従来のアクアライナーでは航行困難な河川（平野川、寝屋川など）への臨時運航にも活用されています。「ひまわり」は、貸切クルーズに対応した船舶で、帝国ホテル大阪がケータリングを担当しています。

船舶の諸元

アクアライナーは、全長約28.5m、総トン数35トンの船で、ウォータージェット推進方式を採用しています。一方、「サンタマリア」は、総トン数566トンと、はるかに大きな船です。

沿革とエピソード

大阪水上バス株式会社は、創業以来、様々な船舶を導入し、航路の拡大、サービスの向上に努めてきました。阪神・淡路大震災の際には、「サンタマリア」が神戸と大阪間の海上代替輸送に貢献したというエピソードも残っています。近年では、アート観光船の運航や、カフェなどを併設した港の整備など、観光事業としての多角化も進めています。

まとめ

大阪水上バス株式会社は、大阪のウォーターフロントにおける観光と交通の両面で重要な役割を担う企業です。多様な船舶と、季節に応じた運行形態により、多くの観光客に親しまれています。今後の更なる発展が期待されます。

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