大阪湾広域臨海環境整備センター

大阪湾広域臨海環境整備センターについて

大阪湾広域臨海環境整備センターは、1978年に施行された広域臨海環境整備センター法に基づく認可法人です。この法人の主な目的は、一般廃棄物や産業廃棄物を海面埋立てを通じて最終的に処分することです。この法律に基づく唯一の組織であり、各自治体から派遣された環境専門職の「環境Gメン」が職員として勤務しているため、受け入れ基準とその検査は非常に厳格です。このため、同センターは「間口は広いが、敷居は高いフェニックス」と称されることもあります。

処分場の概要

センターは、以下の4つの埋立処分場を保有しています。これらのうち、尼崎沖埋立処分場は2021年5月に全ての受入を終了しました。

1. 尼崎沖埋立処分場

• - 所在地: 尼崎西宮芦屋港東海岸町沖地区
• - 受入開始: 1990年1月
• - 一般廃棄物・管理型産業廃棄物・安定型産業廃棄物の受入終了: 2002年3月
• - 陸上残土の受入終了: 2021年5月

2. 泉大津沖埋立処分場

• - 所在地: 堺泉北港汐見沖地区
• - 受入開始: 1992年1月
• - 一般廃棄物・管理型産業廃棄物の受入終了: 2002年3月
• - 安定型産業廃棄物の受入終了: 2021年3月

3. 神戸沖埋立処分場

• - 所在地: 神戸港六甲アイランド南地区
• - 受入開始: 2001年12月

4. 大阪沖埋立処分場

• - 所在地: 大阪港新島地区
• - 受入開始: 2009年10月

また、湾岸部分の交通集中による環境悪化を抑えるため、管理型廃棄物に関しては海上船舶輸送が行われています。そのため、兵庫県（淡路島含む）・大阪府・和歌山県には9箇所の積み出し基地が設けられています。

継続中の課題

処分場跡地利用問題

尼崎沖および泉大津沖の埋立処分場の跡地利用について、兵庫県と大阪府は売却によって護岸工事の資金を回収する計画を立てていました。しかし、環境省が策定中の「海面処分場廃止マニュアル」の完成が遅れており、計画の目処が立っていません。現状では、泉大津市は「泉大津フェニックス」という野外コンサート会場として、尼崎市は「共生の森公園」としてそれぞれ暫定利用しています。

大阪沖処分場の開業遅れ

大阪沖処分場は、神戸沖との同時供用を目指して1999年に開業予定でしたが、府県境界問題や地元漁協との交渉、認可手続きの遅延など、多くの要因が重なり開業が遅れました。最終的には、2009年10月に供用が開始されました。

3期計画に関する問題

フェニックスセンターの活動が25年続いた結果、多くの近畿の自治体は廃棄物処理に関するノウハウを失いました。このため、参加自治体からは受け入れ期間の延長や3期計画の策定が求められていますが、監督官庁である環境省は「3R政策に逆行する」としてこれを否定的に捉えています。

PCB混入問題

2006年12月、センターは尼崎市沖と泉大津市沖の処分場からダイオキシン類を含む排水が放流されたと発表しました。この放流水のダイオキシン類濃度は、基準値を下回ったものの高濃度のPCB類が混入しており、放流を中止することとなりました。PCBの混入経路については、製造メーカーが調査を進めている最中です。

まとめ

大阪湾広域臨海環境整備センターは、廃棄物処理を通じて地域環境保護を進めていますが、さまざまな課題に直面しています。処分場の運営や環境対応の改善など、今後の取り組みが期待されます。

もう一度検索