天之常立神

天之常立神（アメノトコタチ）とは

天之常立神は、日本神話に登場する神であり、天地開闢の際に現れた別天津神の一柱です。この神は、古事記および日本書紀の異伝（一書）にのみ登場し、正伝にはその記述がありません。別天津神の中でも最後に現れたとされ、独神として出現後すぐに姿を隠したと伝えられています。天の永久性を象徴する神として、重要な位置を占めています。

神名の表記と登場

『日本書紀』の異伝では、天常立尊（アメノトコタチノミコト）と表記されることもあります。神代紀第一段第六の一書においては、可美葦牙彦舅尊（うましあしかびひこぢのみこと）や国之常立神（くにのとこたちのかみ）に先んじて最初に登場する神として描かれています。このことから、天之常立神は天地開闢の初期段階において、非常に重要な役割を担っていたと考えられます。

神格と象徴

天之常立神は、天の永遠性や不変性を象徴する神とされています。その存在は、宇宙の根源的な力を表しているとも解釈できます。また、『先代旧事本紀』では、天之御中主神（アメノミナカヌシノカミ）と同一神であるとも記されており、宇宙の中心を司る神としての側面も持っていると考えられています。

祀られる神社

天之常立神を祀る神社は、全国にいくつか存在します。主な神社としては、以下のものがあります。

駒形神社（岩手県奥州市）: 主祭神として祀られています。
金持神社（鳥取県日野郡）: こちらも主祭神として祀られ、金運の神としても信仰を集めています。
出雲大社（島根県出雲市）: 本殿の御客座に祀られており、出雲大社においても重要な神として扱われています。

これらの神社では、天之常立神の神徳を仰ぎ、人々の幸福や繁栄を祈願する祭祀が行われています。

関連する神々

天之常立神に関連する神々として、以下のような神が挙げられます。

天之御中主神（アメノミナカヌシノカミ）: 『先代旧事本紀』では同一神とされています。
高御産巣日神（タカミムスビノカミ）: 別天津神の一柱で、創造に関わる神です。
宇摩志阿斯訶備比古遅神（ウマシアシカビヒコヂノカミ）: 天地開闢の際に現れた神です。

これらの神々は、いずれも日本神話において重要な役割を果たしており、天之常立神と合わせて、日本の神々の世界を形作っています。

まとめ

天之常立神は、日本神話における天地開闢の重要な段階に登場する神であり、天の永遠性を象徴する存在です。その神格は、宇宙の根源的な力と結びつけられ、人々の信仰の対象となっています。この記事を通して、天之常立神への理解を深めていただければ幸いです。

外部リンク

天之常立神 – 國學院大學 古典文化学事業
駒形神社について｜陸中一宮 駒形神社
歴史 | 金持神社｜公式ホームページ｜鳥取県日野郡日野町
御本殿 | 出雲大社

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