奥州金ケ崎行政事務組合

奥州金ケ崎行政事務組合：岩手県奥州市と金ケ崎町の連携による広域行政

奥州金ケ崎行政事務組合は、岩手県奥州市と胆沢郡金ケ崎町が共同で運営する一部事務組合です。両市町の住民にとって不可欠な行政サービスを提供するため、1950年の水沢町消防本部設置以来、消防防災行政の中核を担ってきました。組合の業務は消防活動にとどまらず、ごみ処理や水道事業などの広範な分野に及びます。

組合の組織と業務

組合は、奥州市長と金ケ崎町長をトップとする執行機関と、議会、そして消防本部から構成されます。消防本部には、総務課、消防救急課（危機管理室、通信指令室を含む）、予防課、消防署が設置され、地域住民の安全・安心を守るため、日々活動しています。

職員数は29名で、事務局は組合運営、ごみ処理、水道事業など多岐にわたる業務を担っています。これらの業務を円滑に進めるため、企画総務課、水質管理課、施設管理課、長寿命化事業推進室などが設置され、それぞれの専門性を活かした運営が行われています。

具体的には、企画総務係、財政係、介護医療係などが所属する企画総務課は、組合全体の運営や財務管理、そして介護医療に関する業務を担当。水質管理課は浄水係と水質保全係により水道水の安全性を確保し、施設管理課は管理係と粗大資源係、焼却維持係によって施設の維持管理と資源の有効活用を図っています。

消防本部：充実の設備と人員体制

奥州金ケ崎行政事務組合消防本部は、高度な消防設備を備えています。2019年4月1日現在、普通消防ポンプ自動車3台、水槽付消防ポンプ自動車6台、はしご付消防自動車1台、屈折はしご付消防自動車1台、化学消防自動車2台、大型水槽車2台、救急自動車9台、救助工作車1台、指揮車3台、広報車2台、査察兼広報車6台、資機材搬送車3台、その他14台の車両を保有。これにより、多様な災害への対応能力を強化しています。

沿革：地域の防災体制強化の歴史

組合のルーツは1950年、水沢町消防本部の設置に遡ります。その後、水沢市消防本部、胆沢地区消防組合消防本部と変遷を重ね、2008年には奥州金ケ崎行政事務組合消防本部として現在の体制が確立されました。この間、消防署や分署の新設、消防設備の拡充、救急業務の開始など、地域住民の安全確保に向けた取り組みが着実に進められてきました。

1971年には、水沢市、前沢町、金ケ崎町、胆沢町、衣川村の1市3町1村で胆沢地区消防組合が設立され、消防体制はさらに強化されました。その後、2006年の市町村合併により奥州市が発足。胆沢地区消防組合と江刺市消防本部の統合を経て、奥州金ケ崎行政事務組合消防本部が誕生しました。

近年では、2016年には盛岡中央消防署新本庁舎内の県央広域消防指令センターによる管内119番通報受付開始など、近年の消防行政の進歩にも対応しています。

組合議会と執行機関

組合の意思決定機関である組合議会は、奥州市から8名、金ケ崎町から2名の計10名で構成されます。執行機関は、管理者（奥州市長）、副管理者（金ケ崎町長、奥州市副市長）、収入役、監査委員から成り、効率的な行政運営を目指しています。

まとめ

奥州金ケ崎行政事務組合は、消防防災をはじめとする広範な行政サービスを通して、奥州市と金ケ崎町の地域社会の発展に貢献しています。これからも、住民の安全・安心を第一に、時代に応じた柔軟な対応と継続的な改善に努めていくことが期待されます。

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