奨子内親王

奨子内親王の生涯と業績

奨子内親王（しょうしないしんのう）は、1286年9月28日に生まれ、1348年11月23日に逝去した日本の皇族であり歌人です。彼女は鎌倉時代後期から室町時代初期、つまり南北朝時代にかけて活躍しました。彼女は後宇多天皇の第一皇女であり、母は典侍忠子で、彼女の同母弟は後醍醐天皇です。彼女は、最初伊勢斎宮として多くの伝説を持つ存在だったことでも知られています。

略歴

奨子内親王は、乾元元年（1302年）に内親王としての宣下を受けました。5年後の徳治元年12月22日（1307年1月26日）、彼女は21歳で異母兄である後二条天皇の斎宮に選ばれました。同年9月13日には初めて斎院に入ることができ、その後野宮へも移ることとなりました。しかし、翌年の8月25日には後二条天皇が崩御したため、奨子内親王は群行には至らず、退下することになりました。

その後、文保2年2月26日（1318年3月29日）、彼女の同母弟である後醍醐天皇が即位し、文保3年3月27日（1319年4月18日）には皇后に冊立されました。この時点から彼女は、「非妻后の皇后」として新たな地位を築いていきました。同年の11月16日（12月28日）、達智門院の院号を宣下されましたが、同じ時期に母である談天門院が亡くなったため、奨子内親王は出家を決意し、以降法号を真理覚と称しました。

元亨3年（1323年）には、紀伊国和佐荘の田地を荘内の高社（現在の和歌山県和歌山市に位置する高積神社）に寄進したことも記録されています。これにより、政府や一般市民とのつながりを大切にし、精神的な拠り所としたことが伺えます。

奨子内親王は、1348年、63歳でこの世を去りました。その詩作は『続千載和歌集』や『玉葉和歌集』などの勅撰集に多く収められており、彼女の文学的才能は後世にも大きな影響を与えるものとなりました。

まとめ

奨子内親王の人生は、皇族の一員としての重責を担いながらも、歌人としての才能を十分に発揮したものでした。彼女は歌を通じて自らの感情や思いを表現し、その作品は今なお多くの人々に愛されています。彼女の存在は、南北朝時代の文化的背景を理解する上で欠かせないものとなっています。

もう一度検索