女子プロレス

女子プロレス

女子プロレスは、女性が主体となるプロレスで、選手を女子プロレスラーと呼びます。この競技の魅力は、その力強さと華やかさ、さらには多様性にあります。

歴史

アメリカ

アメリカにおける女子プロレスの歴史は、1900年代初頭にさかのぼります。女性プロレスラーが存在し、男性レスラーの興行の一環として試合を行っていましたが、記録は少なく、具体的な情報はあまり残っていません。特に、1905年にデビューしたコーラ・リヴィングストンが初の女性王者とされていますが、その活躍の詳細は不明です。1930年代に入ると、クララ・モーテンソンやミルドレッド・パークが登場し、女子プロレスの基盤が築かれていきました。1990年代には、日本からブル中野やアランドラ・ブレイズが登場し、この流れがアメリカの女子プロレスに変化をもたらしました。

日本

日本の女子プロレスは、1948年に東京都三鷹市で始まりました。当時の試合は、芝居小屋やキャバレーでの興行であり、内容はガーターマッチなどお色気を強調したものが多く、パフォーマンスの性質が異なっていました。日本人初の女子プロレスラーとして知られる猪狩定子が全日本女子プロレスの興行に参加し、その後、1954年には米国からトップ選手を招いて新たなスタイルへと移行しました。この時期に女子プロレス団体が次々と設立され、1970年代にはビューティ・ペアなどが人気を博し、80年代にはクラッシュ・ギャルズが活躍しブームを巻き起こしました。

1990年代には、女子団体の対抗戦や人気選手による大規模な興行が行われ、特に横浜アリーナでの団体対抗戦は記憶に残るものとなりました。しかし、1994年の全女主催の東京ドーム興行が失敗し、女子プロレス全体に陰りが見え始めました。

2000年代には日本の女子プロレス団体が細分化し、少数の団体が生き残る中で、2010年代以降はエンターテインメントとしての要素が増し、芸能界からの選手参入や、男女混合での興行も見られるようになりました。2015年には華名がWWEに契約し、女性の国際的進出が注目されました。2022年には新日本プロレス系列の関連団体としてスターダムが地上波で試合を中継するなど、日本における女子プロレスは新たな局面を迎えています。

外国の状況

アメリカやメキシコなどでは、女子プロレス団体が数多く存在します。北米では「Chick Fight」と呼ばれることもありますが、最近では日本のスタイルが評価され「Joshipuro」と言われるようになりました。大手団体WWEも、女子選手を重要視し始め、女子レスラーの地位向上が進行中です。

服装と特色

女子プロレスでは、試合用の衣装を「リングコスチューム」として位置付けています。歴史的に、シンプルな水着やレオタードが多く使われてきましたが、近年ではフリルや独創的なデザインが取り入れられてきています。また、オーディション制度を通じて新たな才能を発掘する流れもあり、自由なスタイルを持つ新人選手が数多くデビューしています。

女子プロレスは、今後も国内外での発展が期待される競技です。その魅力と成長は、ファンや選手、関係者によって支えられており、新たな地平を切り開いていくことでしょう。

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