姫路市立美術館

姫路市立美術館：歴史と芸術の融合

兵庫県姫路市、世界遺産・姫路城のほど近くにある姫路市立美術館は、1983年に開館した歴史ある美術館です。その建物は、1905年に建てられた赤レンガ造りの旧姫路陸軍兵器支廠の西倉庫を再生利用したもので、2003年には国の登録有形文化財に登録されています。広大な庭園を囲むように配置された独特の建物は、姫路市の歴史と文化を象徴する存在となっています。

多彩なコレクション：日本とベルギーの近現代美術

姫路市立美術館の最大の特徴は、その充実したコレクションです。収集の方針は大きく三つ。まず、地元姫路ゆかりの作品や、郷土の歴史・風俗を描いた美術作品です。次に、近現代の日本美術、そして、姉妹都市であるベルギーの近現代美術です。

特にベルギー美術のコレクションは、約350点にものぼり、この国の近代美術を概観できる貴重なものです。これは、姫路市とベルギーのシャルルロワ市との姉妹都市関係によるもので、国際交流の象徴ともいえます。

さらに、1994年には地元の医師、國富奎三氏より近代西洋美術コレクションが寄贈され、美術館のコレクションをさらに豊かなものにしました。モネ、ルノワール、マティスといった巨匠の作品に加え、ゴヤの四大連作版画や、マティスの『ジャズ』全20点完存版など、世界的に見ても稀少な作品を数多く所蔵しています。日本の近代絵画では、藤島武二、小磯良平といった巨匠の作品、そして彫刻ではロダンの作品などが所蔵されています。

展示室と施設

美術館内には、常設展示室、企画展示室、ギャラリー、講堂、アートライブラリー、ミュージアムショップ、喫茶室などが整備されています。常設展示室では、上記のコレクションの中から厳選された作品が常時展示され、企画展示室では、テーマに沿った企画展が随時開催されています。広大な庭園には、多くの彫刻作品が屋外展示され、自然と芸術が融合した空間を演出しています。

アクセスと情報

美術館へのアクセスも良好です。JR姫路駅や山陽電車山陽姫路駅から徒歩圏内、または神姫バスを利用可能です。開館時間は10時～17時（入場は閉館30分前まで）です。

また、ひょうごっ子ココロンカード、どんぐりカード、姫路市高齢者福祉優待カードの提示で、常設展が無料となる優待制度もあります。姫路城や好古園、兵庫県立歴史博物館など、周辺には多くの観光名所があり、観光の拠点としても最適です。

まとめ

姫路市立美術館は、歴史的建造物と質の高い美術コレクション、そして良好なアクセスを兼ね備えた、魅力的な美術館です。姫路を訪れた際は、ぜひ足を運んで、芸術と歴史の融合を体感してください。

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