学校恐怖症

学校恐怖症について

学校恐怖症（がっこうきょうふしょう）とは、生徒や学生が心理的な理由により、学校や大学に行くことができなくなる症状のことです。不登校と似ていますが、主に対人恐怖症の一種とされます。この問題を解決するための治療法や支援方法については、専門的な知識や理解が必要です。

語源

この言葉の起源は、1932年にイギリスのI・T・ブロードウィンが「怠学(school refusal)」と表現したことに始まります。その後、1941年にアメリカのA・M・ジョンソンが「学校恐怖症(school phobia)」と命名しました。「phobia」という言葉は、ギリシャ語で「恐怖」を意味します。

症状とその段階

ジョンソンは学校恐怖症を次の三つの段階に分類しました。
1. 心気的時期
2. 登校時のパニック時期
3. 自閉期

心気的時期

この段階では、生徒は登校の際に身体的不調を訴えることが多いです。具体的には、頭痛や腹痛、気分の悪さ、疲れなどの症状が見られます。特に午前中は症状が強く、午後からは軽減し、夜になると学校へ行く意欲を示すこともあります。この時期の主な原因には友人関係のトラブルや、学業に対する不安などが挙げられます。

登校時のパニック時期

この段階に入ると、子どものストレスや不安は非常に大きくなります。親に無理に学校へ連れて行かれようとすると、強い抵抗を示し、泣き叫んだり暴れることもあります。しかし、一度学校に到着すれば、落ち着いて穏やかな表情を見せることが多いです。

自閉期

親が学校へ行かせることを諦めると、子どもは主に自宅で自分の世界に閉じこもるようになります。特にコンピューターゲームやインターネットに多くの時間を費やし、攻撃的な態度は減るものの、急なストレス反応で激怒することもあります。この状態は数ヵ月から数年にわたり変動することがあります。

支援方法

学校恐怖症は対人障害に分類されますが、親はしばしば子どもの言動を軽視しがちです。特に第一期の段階で「わがまま」と決めつけてしまうことが多く、子どもの心の問題を見逃してしまいます。また、無理に学校に行かせることや趣味を制限することは、かえって恐怖感を強める要因となることがあります。

重要なのは、強引に学校へ行かせるのではなく、子どもの不安を少しでも軽減するための理解を示すことです。子ども自身の立場や視点を考慮し、適切な支援を行うことが、この恐怖症を予防し、早期の回復を助ける鍵となります。

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