安房小湊駅

安房小湊駅：歴史と自然に囲まれた、観光の拠点

安房小湊駅は、千葉県鴨川市内の内浦地区に位置する東日本旅客鉄道（JR東日本）外房線の駅です。かつて安房郡小湊町の中心地として栄え、現在も日蓮宗の大本山である小湊山誕生寺への最寄り駅として、多くの観光客が訪れる活気ある駅となっています。

歴史を刻む駅舎

1929年4月15日、鉄道省の駅として開業しました。当初は小湊鉄道小湊停車場の建設も計画されていましたが、昭和初期の金融恐慌の影響で工事は中断、計画は実現しませんでした。1987年の国鉄分割民営化によりJR東日本に継承され、その後、業務委託駅へと移行。2009年には駅舎の改装が完了し、Suicaの利用も開始されるなど、現代的な設備も導入されました。みどりの窓口は2017年12月12日に営業を終了しています。

駅の構造と利用状況

安房小湊駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の、計2面3線の地上駅です。茂原統括センター（安房鴨川駅）の管理下にあり、現在は業務委託駅として運営されています。簡易Suica改札機が設置され、木造駅舎の風情も残されています。2010年2月10日からは外房線PRC型自動放送が導入されています。1・2番線は11両編成、3番線は10両編成に対応可能です。

2023年度の1日平均乗車人員は約133人です。1990年度以降の乗車人員は変動がありますが、観光シーズンには多くの利用者でにぎわいます。

駅周辺の観光地とアクセス

安房小湊駅周辺は、観光資源が豊富です。

自然: 鯛の浦（国の特別天然記念物）、内浦海水浴場、小湊漁港など、豊かな自然に恵まれた環境です。
歴史・文化: 小湊山誕生寺（日蓮宗大本山）は、多くの参拝客が訪れる歴史的な寺院です。
* 観光施設: こみなと水族館（千葉大学海洋バイオシステム研究センター水族館）、お土産屋、宿泊施設などが点在し、観光客の利便性を高めています。

アクセスは、国道128号、千葉県道285号内浦山公園線など主要道路が通じており、車でのアクセスも容易です。バス路線も充実しており、誕生寺や周辺の観光地へのアクセスも便利です。

小湊鉄道とのつながり

小湊鉄道の社名は、この地に由来しています。かつては小湊鉄道線が安房小湊駅付近まで延伸する計画がありましたが、実現には至りませんでした。現在も小湊鉄道の公式ウェブサイトには、この未成線の計画に触れた安房小湊駅のページが存在しています。

まとめ

安房小湊駅は、歴史と自然、そして観光が融合した魅力的な駅です。小湊山誕生寺へのアクセス拠点としてだけでなく、周辺の観光資源を楽しむための出発点としても最適な場所と言えるでしょう。 静かな佇まいと、活気あふれる観光客の姿が入り混じる、独特の雰囲気を持つ駅です。将来的には、より多くの観光客が訪れ、地域の活性化に貢献していくことが期待されます。

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