完全試合

完全試合の概念

完全試合（かんぜんじあい）は、野球やソフトボールにおける重要な記録の一つです。試合中、相手チームの打者を全て打ち取って出塁を許さず勝利することを指します。この特別な記録は、英語で'perfect game'と呼ばれることもあり、特にメジャーリーグベースボール（MLB）で注目されます。

達成条件

完全試合を達成するためには、野球の場合は27人、ソフトボールの場合は21人の打者を無失点で抑えなければなりません。この際、ヒットはもちろんのこと、フォアボールやエラー（失策）も許されず、相手チームの選手に一度も出塁をさせることなく試合を終了させる必要があります。また、試合が延長となった場合も、勝利するまで相手選手を出塁させず、無失点を維持することが求められます。ただし、延長戦でタイブレークが適用される場合には、完全試合は認められません。

記録の保持者

MLBにおいては、完全試合がこれまでに24回記録されています。これに関しては、19世紀に2度、20世紀に14度、21世紀に8度の成功例があります。平均すれば、約6年に一度の頻度で完全試合が発生していますが、1980年代以降はその頻度が増加していることが分かっています。特に2012年には1年間だけで3回の完全試合が達成され、この年は記録の中でも特に際立った年となりました。

完全試合の定義と異なる記録

完全試合と似たような記録にはノーヒットノーランや完封試合があります。ノーヒットノーランは、ヒットを許さずに勝利したものの、フォアボールやエラーで選手が出塁した場合を指します。完封試合は、出塁を許したものの、相手に得点を与えずに勝った試合のことを言います。また、日本プロ野球（NPB）における完全試合は、MLBとは異なり継投方式は記録として認められておらず、一人の投手によってのみ達成されます。

野球以外の競技における使用例

完全試合という用語は本来野球用語ですが、他の競技においても「完全なる勝利」という意味で使用されることがあります。例えば、プロボクシングやボウリングでも、全てのラウンドで満点を記録した場合を完全試合と呼ぶことがあります。

完全試合に挑戦する選手たち

完全試合を達成した投手は、アメリカ野球殿堂に名を刻むことが多数ありますが、その実績にはバラツキがあります。例えば、通算勝利数が50を下回っている投手でも完全試合を達成した例があり、実力のある選手が達成するとは限りません。近年の研究によると、完全試合を達成する可能性が高い投手でも実際には未達成のことが多く、非常に難易度の高い記録と言えるでしょう。

まとめ

完全試合は、野球やソフトボールにおける稀有で素晴らしい成果であり、選手たちにとっては一生の名誉です。達成の条件が厳しいことから、完全試合を経験した選手はわずかです。それでも、選手たちはこの大きな使命に挑戦し続けています。

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