宝永山

宝永山：富士山最大の側火山

宝永山は、1707年（宝永4年）に発生した宝永大噴火によって誕生した、富士山最大の側火山です。標高2693メートルを誇り、その雄大な姿は多くの登山者を魅了しています。宝永大噴火以降、富士山は噴火しておらず、宝永山は現在、富士山の最新の火山活動の証として存在しています。

宝永火口：壮大な噴火の跡

宝永山の象徴ともいえる宝永火口は、宝永大噴火によって形成された3つの火口が連なったものです。山頂側から第1火口、第2火口、第3火口と呼ばれ、第1火口が最も規模が大きくなっています。この大噴火は、その49日前に発生した宝永地震によって誘発されたと考えられており、地震の翌日に富士宮付近で強い地震が観測されたという記録も残っています。宝永火口のスケールは、噴火の凄まじさを今に伝えています。

登山ルート：様々なアプローチから絶景を

宝永山頂へは、いくつかのルートから登山が可能です。富士宮口五合目からであれば、富士山頂への登山と比べると比較的容易に登頂できますが、それでも登山であることに変わりはありません。十分な食料と防寒着、そしてハイキングに適した靴を準備することが大切です。

富士宮口ルート

富士宮口五合目から宝永火口を目指す場合、宝永遊歩道を利用すれば、比較的短い距離で高低差も少なく、宝永第二火口まで約35分と効率的に到達できます。第二火口から第一火口まではさらに20分です。宝永遊歩道の登山シーズンは、通常5月上旬から11月中旬頃までとなっています。

富士宮口五合目から六合目経由で宝永第一火口を目指すルートもあります。このルートでは、第一火口まで登りに35分、下りに30分かかります。第一火口から山頂まではさらに登りに50分、下りに35分が必要です。

水ヶ塚公園ルート

水ヶ塚公園から宝永第二火口までは、登りに2時間55分、下りに1時間55分かかります。

御殿場口ルート

御殿場口新五合目駐車場から御殿場口六合目までは、登りに4時間30分かかります。そこからさらに宝永山馬の背を経由して山頂へ至るルートもあります。しかし、富士宮口五合目から宝永山を経由して御殿場口六合目へ向かう方が距離が短く、富士宮五合目から宝永山頂までは1時間25分で登頂できます。2008年には、皇太子徳仁親王殿下がこのルートで富士山山頂へ登頂されました。

宝永山から眺める富士山

山頂まで登らなくても、宝永火口を眺めるだけでも富士山の雄大さを体感できます。富士宮口五合目から比較的容易にアクセスできるため、時間のない方や、本格的な登山には自信がない方にもおすすめです。宝永山は、富士山の歴史と自然を肌で感じられる貴重な場所です。

もう一度検索